2018 Fiscal Year Annual Research Report
Devlopment of before standing up nursing onomatopia method utilized for prevention of orthostatic hypotension in the elderly
Project/Area Number |
17K19788
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松田 ひとみ 筑波大学, 医学医療系, 教授 (80173847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳 久子 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10241811)
岡本 紀子 筑波大学, 医学医療系, 助教 (40624664)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 起立前看護オノマトペ法 / 起立性低血圧 / かけ声 / オノマトペ法 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては,発声時に行う呼吸のうち特に吸気が交感神経機能を高めるメカニズムを捉え、起立前のかけ声が起立時の血圧低下を抑制する可能性を探求すること。さらにこの手法の安全性と効果を生理学的に検証することを目的とした。 起立前のかけ声を単独で行うセルフ型と高齢者が家族、看護、介護者との協働で行う唱和型に分け、各条件による血圧下降度と回復時間を検討した。 起立条件ごとに比較した結果,安静時収縮期血圧は、いずれの条件間においても有意差は認めなかった。回復時間については、「かけ声なし」(中央値:7.97秒)との比較では、「起立前」(中央値:6.51秒)において「なし」よりも有意に短縮される結果が得られた(p<.05)。 血圧最低値を開始点として、その前後60秒間の交感神経および副交感神経活動の変化(比率)をみると、交感神経活動では、「なし」を基準としたとき、いずれの条件においても増大している。一方で副交感神経においては「なし」よりも「起立動作前」において興奮が抑制され、自律神経活動は相対的に交感神経優位の状態が認められた。以上より、「起立動作前」にかけ声を発し、間接的に自律神経活動を制御することで血圧の回復時間を短縮できることを実証した。これは起立時に起こる血圧低下に伴う眩暈やふらつきに対するケアとして有効な手段であると考えられる。今後は、この手法を普及させることと、これによりフレイル高齢者の転倒予防などの効果を検証することが課題となった。
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