2017 Fiscal Year Research-status Report
Comprehensive search for biomarkers predicting dementia using urine metabolomics analysis
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17K19799
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中村 和利 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70207869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 裕美 新潟大学, 学内共同利用施設等, 研究員(移行) (50325479)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / メタボロミクス / 尿 / バイオマーカー / 予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
H29年度は、予測モデル作成(18検体:set1)と妥当性確認(18検体:set2)のためのメタボロミクス解析を行なった。予測モデル作成に関して、患者群は新潟大学医歯学総合病院神経内科外来にてアルツハイマー病と診断された新規患者9人(60~79歳、男性3人、女性6人)であった。対照群は村上コホート研究への参加者でMini-Mental State Examination(MMSE)による認知機能検査を受け、正常と判断された者のうち、各患者と性・年齢をマッチさせた者9人であった。また、妥当性確認に関しては、同様の手続きにて患者9人、対照9人(男性4人、女性5人)を得た。全体で患者尿18検体と対照尿18検体のメタボロミクス解析を行なった。妥当性確認検体が予定より早く集まったため、H30年度の予定の妥当性確認用メタボロミクス解析も行なった。解析により、のべ306種類のイオン性代謝物質が同定された。2変量解析の結果では、set1で有意に増加した代謝産物が2個、有意(p<0.05)に減少した代謝産物が7個、set2で有意に増加した代謝産物が3個、有意に減少した代謝産物が6個同定され、set1 set2で共通して有意な増加又は減少を示した代謝産物としてglycerol-3-phosphateが見つかった。set1 set2それぞれについて同定された代謝産物とアルツハイマー病関連分子との分子ネットワーク解析を行った結果、いずれにおいてもグリシン/セリン/スレオニン代謝、グルタミン酸代謝などの関与度が高い可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画は「予測モデルの作成(20検体)」、H30年度は「妥当性確認(18検体)」であったが、妥当性確認検体が予想より早く今年度に得られたためH29年度に全38検体の尿メタボロミクス解析を終了することができた。よって、本研究は当初の計画以上に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
メタボロミクス解析をH29年度に終了できたため、H30年度は統計解析に十分な時間が確保できる。set1,set2で共通して有意に増加、減少した代謝産物が少なかったことは、各群の検体数が不足したと考える。そのため、当初の計画を変更し、患者群18検体、対照群18検体として患者尿における変動代謝産物とその関わる代謝経路についての解析を、glycerol-3-phosphateを中心として、我々が行っている尿プロテオミクスの結果とも総合して行い、結果を取りまとめ、成果の発表を行う。
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Causes of Carryover |
当該年度の測定検体数が増えたため、測定料金が若干抑えられた。39,996円については、次年度の助成金と合わせて統計解析に使用する予定である。
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