2017 Fiscal Year Research-status Report
薬物乱用防止を目指した薬物乱用患者とSHATI/NAT8Lの遺伝子関連解析
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17K19801
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
新田 淳美 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 教授 (20275093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇野 恭介 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 助教 (30608774)
池田 和隆 公益財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, 分野長 (60281656)
西澤 大輔 公益財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, 主席研究員 (80450584)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | SHATI/NAT8L / DNAメチル化 / 覚醒剤乱用患者 / バイサルトファイト法 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、すでに覚醒剤を連続投与したマウスの脳組織から取り出した遺伝子(DNA)と血液から抽出したDNAの両方で、Shati/Nat8lの遺伝子のプロモーター部位のメチル化(遺伝子修飾の1つの種類)が減少していることを見出している (Uno et al Plos One,e0167959, 2016)。脳組織については、これらが、覚醒剤投与によるShati/Nat8lの発現量の増加のメカニズムの少なくとも一部は、本遺伝修飾が関連していることが示唆されている。加えて、精神疾患患者血液のDNAでもメチル化が変化していることも明らかにしている。近年、薬物乱用者も精神疾患のカテゴリーとしてとらえられるようになってきていて、覚醒剤依存患者の診断や予防方法を確立する方法が見出すことが本研究の目的である。可能であれば、覚醒剤患者の治療薬の開発につながることができればと思っている。 覚醒剤乱用患者からの生体サンプルの入手は、我が国では非常に困難である。加えて、サンプル集積がされている研究機関があっても、改訂個人情報保護法を考え、サンプルを研究施設間で移動するには被験者の同意等が必要となり、非常に困難である。そこで、覚醒剤乱用患者の遺伝子を現有している東京都総合医学研究所へ実験に必要な機器や試薬を運搬し、富山大学の教員や大学院生が東京都医学総合研究所へ出張をして、実験を実施することで、それらのテクニカルな問題をクリアして実験を実施し、覚醒剤乱用患者と健常者のShati/Nat8lのメチル化の変化の比較を行、本研究成果を治療や予防に役立てたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究では、覚醒剤依存者から得たDNAでのShati/Nat8lプロモーター部位の遺伝子修飾についての検討を行った。Japanese Genetics Initiative for Drug Abuse (JGIDA)で収集した覚醒剤乱用患者の遺伝子を分担研究者の池田和隆博士が東京都医学総合研究所にて現有している。改訂個人情報法のことを鑑み、研究施設間でのDNAの移動をしないようにして、それぞれの所属機関の倫理委員会の承認を得た上で、富山大学の教員や大学院生が1カ月にわたり、東京都総合医学研究所へ出張をして実験を行った。その折には、DNAの濃度を揃え、バイサルファイト化させた上で、パイロシークエンサーでDNAの配列を解明するという手法をとった。覚醒剤乱用患者と年齢が一致している健常者各100名ずつを検討した。覚醒剤乱用患者血液から抽出したDNAでは、Shati/Nat8l遺伝子のプロモーター部位の一部で、健常者血液から抽出したDNAと比較して、メチル化が変化していることを統計学的に明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度には、それぞれ100名以上の覚醒剤乱用患者と健常者のShati/Nat8lのプロモーター部位の遺伝子修飾の変化を明らかにした。100名以上の覚醒剤患者の薬物摂取量や期間または男女などについての相関について30年度には明らかにしたい。加えて、本成果を社会に役立て、治療法や診断法に結びつけるために、多々の交絡因子ごとでの相関関係を統計学に明らかにする予定である。加えて、他の薬物乱用患者の遺伝子バンクにもアプローチをして、本研究を発展させる予定である。DNAを扱うにあたり、自国の個人情報保護法を尊重するが、それぞれの国ごとでのガイドラインに対応することが目下の課題であり、共同研究者との情報共有をすることを目指す。
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Causes of Carryover |
本研究は、覚醒剤乱用患者の遺伝子であるDNAを解析することを主としている。昨年、施行された改定個人情報保護法のこともあり、研究施設間での遺伝子の移動は被験者の同意等を考えると整備された大きなバンクほど困難である。そのため、富山大学に所属する教員や大学院生が東京都医学総合研究所へ出張をして、実験を行うことにしており、3月から4月にかけて実施をしている。6月の本研究費の採択の交付内定の後、東京都医学総合研究所と富山大学双方の倫理委員会への承認を受けるのに、半年以上の時間がかかったため、29年度には、1度しか出張できなかったことから、30年度以降に残額を使用したいと考えている。
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Research Products
(18 results)
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[Book] Shati/Nat8l and N-acetylaspartate (NAA) have important roles in regulating nicotinic acetylcholine receptors in neuronal and psychiatric diseases in animal models and humans IN“Nicotinic Acetylcholine Receptor Signaling in Neuroprotection”2018
Author(s)
Nitta A*, Noike H, Sumi K, Miyanishi H, Tanaka T, Nagakura M, Iegaki N, Kaji JI, Miyamoto Y, Muramatsu SI, Uno K.
Total Pages
191
Publisher
Springer Nature
ISBN
978-981-10-8487-4
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