2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of digital tools to support health management of childhood cancer survivors
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17K19807
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
堀 浩樹 三重大学, 医学系研究科, 教授 (40252366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 秀実 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (60525327)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 小児がん / 病名告知 / 長期フォローアップ / 健康管理意識 / 小児がん経験者 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児がん経験者の原病や晩期合併症に対する理解を促すための標準的な“病気の説明”の方法と“健康管理指導”のあり方を検討し、本邦における小児がん経験者に対する長期フォローアップ外来での診療内容の向上を目指すための研究を実施した。まず、小児白血病研究会所属施設を対象に小児がん患者に対する病名告知率について調査をした。中学生以上の患者において80%以上の実施率の病院は82.7%であり、過去20年間に10年間隔で実施した調査結果と比較し、実施率が増加していた。同様に、小学校高学年および小学校低学年の小児がん患者に対して80%以上の実施率の病院は、それぞれ60.8%、37.7%であり、年齢とともに低い実施率であった。これら小学生の年齢群においても過去20年間で実施率の増加が確認された。次に、健康児童生徒(10-15歳)とその親を対象にした小児がん患者への病名告知に関する意識調査を実施した。もし小児がんと診断された場合、正確な病名告知を希望する児童生徒の割合は79.4%であったが、我が子が小児がんの診断を受けたときに、正確な病名を伝えると答えた親の割合は54.2%に留まっていた。児童生徒の病名告知を希望する回答割合は、過去20年で微増していた。病名を伝えるとする親の割合は、20年前と10年前には40%以下であったが、今回調査では50%を超え、増加傾向がみられた。これらの研究結果は、2018年11月開催の第50回国際小児がん学会にて発表を行なった。さらに、全国の小児がん拠点病院を中心とする長期フォローアップ外来を開設する11施設の担当者へのインタビュー調査を実施し、現在、半構造化面接法によって収集した情報の解析を実施している。これについては本年度中に解析を終了する予定である。本年度後半には、これらの研究成果の論文化を進める計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
小児がん患者に対する病名告知の実態調査は順調に実施し、国際学会での成果公表も行なっているが、小児がん経験者に対するインタビュー調査の解析は、録音資料の書き起こしなどに時間を要したため、現在、解析を進めているところである。本年度前半には、解析を終了する見込みである。本年度後半は、研究成果の論文による公表を進める計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果の公表を進め、関係者との成果の共有を行う。また、その成果を実臨床に活かすため、研究結果に基づいて、長期フォローアップ外来における小児がん経験者への病気の説明のあり方についての提言をまとめることを計画する。
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Causes of Carryover |
(理由)研究の一部の解析が遅れ、それに伴い論文発表などの成果公表の時期が、計画時より遅れたため。 (使用計画)2019年度に行う「インタビュー調査」の解析及び成果公表等に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)