2018 Fiscal Year Research-status Report
高額医療の利用につながる後期高齢者の健診を用いた効果的抽出と予防的介入の構築
Project/Area Number |
17K19816
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
森山 美知子 広島大学, 医歯薬保健学研究科(保), 教授 (80264977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加澤 佳奈 広島大学, 医歯薬保健学研究科(保), 助教 (10740102)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 地域看護学 / 後期高齢者 / 健康診査 / 医療費 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、近い将来に高額な医療費を消費することになる後期高齢者を的確に抽出し、ニーズに適合したサービスを提供する、医療保険者の機能を強化したシステムの構築を目指すものである。そのために、(1)後期高齢者の入院の原因となる疾患や状態について、法令で定められた健診項目にこれらリスクの特定につながる健診項目を追加し早期発見を行い、リスクを有する人(異常値を有する人)をかかりつけ医や地区担当保健師に結び付け、また保健指導を行い、リスク回避を図るものである。さらに、(2)この介入効果について健診結果や医療レセプトで確認するものである。 今年度は、計画通り、呉市安芸灘地区(島嶼部)と安浦・川尻地区の健診に参加し、後期高齢者152人の参加を得て、健診項目を追加することができた。健診結果は、具体的な注意喚起(地域の総合事業や百歳体操への参加、生活習慣・減塩や転倒予防などの注意喚起、受診勧奨、脈拍の観察方法、地域包括支援センターへの連絡等)を記載したリーフレットと共に送付し、その後、電話により集団会場での健診結果説明会への参加を促した。加えて、①認知機能低下者やフレイル/ハイリスク者を行政保健師や地域包括支援センターにつなぎ、②未受診者を医療機関につなぎ、③重症化予防サービス等適合するサービスに紹介した。さらに、行動変容を起こしたかどうか/受診につながったかどうかを1-2ヶ月後に電話により確認を取った。 結果は、一定割合で追加した項目でハイリスク者が特定されており、個別保健指導の実施と共に上記保健施策につなげることができた。個別保健指導を実施した者は、注意の意識が強化され、受診を含む行動変容につながっていた。レセプトや健診データでの分析は、来年度以降に実施する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は計画通り、予定された地域(呉市安芸灘地区と本土の2地域)で、予定通り健診の中に研究で必要となる項目を追加して、健診を実施することができた。また、健診結果に基づく保健指導も計画通り実施することができた。呉市では7月に豪雨災害が発生し、研究実施地域で大きな被害が出て、健診の実施が危ぶまれたが、早い復興と場所の振り替えなどで、実施することが可能であった。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度も引き続き、呉市内の異なる地域で健診に加わり、健診項目の追加、早期発見、異常を示す者に対する保健指導や必要なサービスへの連携を行う。さらに、レセプトや健診データと結び付けて、介入効果の有無について分析する。
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Causes of Carryover |
平成29年度に当初計画したプロジェクトが実施できなかったことから、平成30年度はこの繰り越しがあった。さらに、災害があったことから被験者数が当初の予定よりもやや少なく、支払額が減ったため。2019年度は健診場所(研究実施場所)を増やし、対象者数も増やして当初計画の人数が実施できるように調整する。
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Research Products
(5 results)