2020 Fiscal Year Research-status Report
未成年の子どもがいる家族の遺伝情報に関する家族間コミュニケーションの記述研究
Project/Area Number |
17K19823
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
野間口 千香穂 宮崎大学, 医学部, 教授 (40237871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野末 明希 宮崎大学, 医学部, 助教 (30569794)
荒武 亜紀 宮崎大学, 医学部, 助教 (90773523)
矢野 朋実 宮崎県立看護大学, 看護学部, 准教授 (90363580)
狩集 綾子 宮崎大学, 医学部, 助教 (80832881)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 遺伝性疾患 / 家族間コミュニケーション / 遺伝性乳癌卵巣癌症候群 / ターナー症候群 / 遺伝学的情報 / 記述研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、遺伝医療において、遺伝情報に関する家族間コミュニケーション支援に関する看護実践や研究に資することを目的とし、未成年の子どもを含む家族間コミュニケーションの様相を明らかにするためがん医療と小児医療のぞれぞれの分野での研究を実施している。 がん医療分野では、令和元年度にデータ収集方法を終える予定であったが、新型コロナウィルス感染症拡大により対象者との対面での面接は感染リスクがあるため、web会議システムを利用した面接法に変更して、研究方法変更の倫理審査を終了後、面接調査を再開した。それまでに同意が得られていた対象者に対して改めて研究方法変更を説明して、同意の意思に変更がなかった7名に対して、令和2年7月~9月の間に立案した研究計画に基づき、web会議システムを利用した面接調査を行った。令和元年度に面接調査を行った1名を加え、目標対象者数8名に達した。得られた面接データは固有名詞等個人情報に関することは記号化して逐語録化し、M-GTA法を用いて分析を進めており、データを精査しつつ研究者間で繰り返し検討し、52の概念を抽出した。現在は52の概念間の関連の検討とともに家族間コミュニケーションの様相の構造について検討している段階である。 小児医療分野では、ターナー症候群の女児の母親に対して子どもの健康や体質に関連した家族間コミュニケーションの実態を明らかにすることを目的として、計画に基づいて、質問紙調査を実施しているが、コロナ禍で外来診療が遠隔診療となっていることもあり、小児科外来だけでの質問紙配布は困難なため、計画を変更し、家族会に協力も含めて、協力先を拡大して質問紙の配布を行っている。現在134名に配布し、45名(回収率33.6%)からの回答があったが、目標数に到達していない。コロナ禍であるため、対象者の診察間隔の長期化を考慮して、半年間データ収集期間を延長することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和元年度にデータ収集を完了する予定であったが、令和2年度に延期せざるを得なかったことが大きな理由である。令和2年度は、がん医療分野での面接調査のデータ収集完了したものの小児医療分野での質問紙調査においてデータ収集は回収数が目標に到達していないため、データ収集方法と収集期間を延長した。そのため研究全体の進捗状況としては遅れている。がん医療分野での分析の進捗は順調に進んでいるため、まとめる段階に入る予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
がん医療分野におけるデータ分析は順調に進んでいるため、結果を取りまとめる段階に入る予定である。 小児医療分野での質問紙調査は、データ収集期間を延長して実現可能性を考慮して、回収50部を超えた段階でデータ収集を完了とする予定である。小児医療分野では当初の計画では、単一遺伝子疾患の子どもを対象とした研究を計画していたが、コロナ禍で困難なため、家族会等に対するヒアリングを行うことを可能な範囲で検討する予定である。
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Causes of Carryover |
令和元年度に予定していたがん医療分野における面接調査を新型コロナウィルス感染症拡大の影響によって、令2年度にwebシステムによる面接調査を行うことになり移動のための旅費等の使用がなかったが、質的分析ではデータの真実性の確保のために対象者へのデータ解釈を確認する等のプロセスが欠かせないためのそのための通信や場合によっては移動のための旅費等に用いるともにまとめる過程で翻訳校正のための費用として用いる必要がある。また小児医療分野における研究は郵送によるアンケート調査を継続しているため、そのための費用として用いる。追加の面接調査を行う場合も同様に送料を含む通信費等が必要であり、成果発表やまとめる過程での英文翻訳校正や報告書の印刷等の費用として用いる予定である。
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Research Products
(1 results)