他職種協働による認知機能・自動車運転技能評価と包括的支援の効果の検証

2017 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 17K19824
• Research Institution: Kagoshima University
• Principal Investigator: 上床 太心 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (50709350)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 郡山 千早 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (30274814)
• Project Period (FY): 2017-06-30 – 2020-03-31
• Keywords: 認知機能 / 認知症 / 自動車運転 / 多職種協同 / 地域包括ケア

Outline of Annual Research Achievements

＜研究１：交通・運転工学等の関連分野における先行諸研究等の調査・整理＞として、日本安全運転・医療研究会、日本認知症予防学会、日本認知症学会等の関連学会やシンポジウムへの出席等により、先行諸研究等の調査や状況の整理を行った。あわせて本研究で実施する調査内容や方法についてさらなる検討を進めている。
＜研究２：モデル地域における自動車運転関連問題の地域診断＞および＜研究３：多職種協働による地域高齢者の認知機能評価・自動車運転技能評価およびそれを活用した包括的な支援の効果の検証＞では、協力地域の広い対象者に調査する必要がある。計画（申請）段階では調査想定地域の好意的反応や協力が見込まれていたが、その後、高齢者による自動車運転事故事案や種々の懸念が繰り返しマスメディア等で取り上げられたため、調査想定地域でも本課題が繊細な問題となってしまった。そこで実地調査に向けて改めて繊細な調整が必要になり、検討を続けているところである。
特に、本研究の主たる調査となる＜研究３＞で用いる自動車運転機能評価の方法については、計画(申請）段階では、実車に「Driver’s Doctor Objet」等を装着して被検者に運転してもらい評価する計画であったが、高齢被検者の協力が限られる懸念が生じており、ドライビング・シミュレータによる評価への変更も検討している。シミュレータ候補機の試用も行ったが特に高齢者では実車とのキャップやシミュレータ酔い等の限界を認めた。実車評価に勝る評価はないが、理解が得られるか不透明な状況で、検討を継続している状況である。
前段階の＜研究２＞についても、調査地の理解が前提となるため、主調査＜研究３＞に対する懸念について対応を継続しているところである。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

計画（申請）時以降、認知症高齢者による自動車運転事故事案や懸念が繰り返しマスメディア等で取り上げられた。このため調査を想定していた地域でも本課題が繊細な問題になってしまい、実地調査に向けて改めて調整が必要になった。

Strategy for Future Research Activity

調査地の理解が得られる内容と方法を検討し、調整を継続する。

Causes of Carryover

研究実施状況報告書に記載したような背景で調査を想定していた地域での実地調査に入ることができず、また想定していた調査機器についても再検討が必要になったためそれらに要する経費がまるまる次年度使用額となった。実地調査計画を修正し調査地の理解を得た後に調査経費として試用する計画である。