2017 Fiscal Year Research-status Report
在宅虚弱高齢者の死亡に至るまでの機能低下と介護・医療の利用に関する推移
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17K19831
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
河野 あゆみ 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (00313255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 拓磨 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 特任助教 (00783193)
山本 紘司 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (10548176)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 高齢者 / 虚弱 / エンドオブライフ / 介護予防 / 介護サービス / 医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は在宅虚弱高齢者の死亡に至るまでの機能低下と介護サービスならびに医療の利用の推移を明らかにすることである。平成29年度は,大阪府下の3自治体において,平成24年4月から平成25年3月までに介護保険制度において「要支援」と認定された65歳以上の高齢者1684名を対象として抽出した。また,これらの対象者について,認定時点から平成29年3月までの5年間をデータ収集対象期間とし,その間の死亡や転出などの転帰,要介護度や日常生活自立度などの機能,介護給付実績(居宅サービス,居住系サービス,施設サービスを含む),診療報酬(入院または外来にて給付されたICD-10に基づく診療報酬の決定点数を含む)に関するデータを当該自治体ならびに国保連合会の協力を得て把握した。予備的に解析をした結果,対象者1684名(100%)のうち,女性は1108名(65.8%),平均年齢は79.1(標準偏差6.8)歳,1人世帯は476名(28.7%)であった。また,5年間のうちに,生存者は1112名(66.0%),死亡者は528名(31.4%),転出者は44名(2.6%)であった。死亡者528名(100%)のうち,1年以内に166名(31.4%)の者が死亡していた。生存者1156名と死亡者528名を比較したところ,死亡者には男性が多く(生存者=男性25.3%,女性74.7%,死亡者=男性53.8%,女性46.2%,p<.0001),年齢が高かった(生存者=78.4歳,標準偏差6.6,死亡者=80.0歳,標準偏差7.1,p<.0001)。以上より,平成29年度は要支援高齢者は新規に認定された後,5年以内に約30%は死亡していることが示された。今後,データを追加しながら,詳細な分析を進める予定である。なお,当初平成21年度からのデータを収集する予定であったが,データ提供機関のシステム変更の都合により,平成24年度をベースラインとすることに変更した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ収集に関してデータ提供先との協議に時間がかかり,データ収集時期がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は,5年分のデータについて解析を行い,結果を示す予定である。また,平成30年度内に研究対象者の平成29年4月から平成30年3月までのデータ収集を行う。
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Causes of Carryover |
次年度以降も,引き続きデータ収集にあたり,経費が必要である。
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