2017 Fiscal Year Research-status Report
Development for static and dynamic balance test of elderly persons
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17K19832
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
松浦 義昌 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 教授 (60173796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長澤 吉則 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (40299780)
内田 雄 仁愛女子短期大学, その他部局等, 講師(移行) (00749418)
村瀬 訓生 東京医科大学, 医学部, 講師 (10317894)
橋口 剛夫 帝京科学大学, 生命環境学部, 准教授 (60189470)
藤谷 かおる 金沢大学, 人間科学系, 教授 (60257079)
出村 慎一 金沢大学, 人間社会研究域, 客員研究員 (20155485)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 静的バランス / 動的バランス / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、次の研究課題1、2について検討した。 1.新規動的・静的バランステスト器具の開発及び適切なテスト条件の検討 2.新規動的・静的バランステスト器具の信頼性及び妥当性の検討開始 研究課題1の新規器具の開発は、竹井機器工業とともに昨年度末に完成した。よって、昨年度12月までは、既存の静的バランス測定器にて、高齢者のバランス能力測定を行った。今年の1月から3月までは、新規動的・静的バランスシステムのテスト条件、および信頼性の検討を行った。静的バランス能力測定では、60歳以上の高齢者88名を対象に、動的バランス能力測定では、安全性を考慮し、若年者96名を対象に測定した。高齢者を対象とした静的バランス能力テストは、重心動揺計上にて開眼片脚立ちを1分間行った。その際の総軌跡長、X軸方向軌跡長、Y軸方向軌跡長、ヒラメ筋、腓腹筋、および前脛骨筋の筋電図積分値を求めた。静的バランス能力テストでは、総軌跡長とY軸方向軌跡長間に性差が認められ、女性より男性が長かった。また、性差に関係なく、加齢とともに、軌跡長は長かった。筋電図積分値は、各筋によって異なり、個人差が認められた。動的バランス能力テストは、左右および前後方向の条件にて、動的バランス測定器上で1分間、各3回行った。各3回の総軌跡長、外周面積、接地回数、および接地時間を指標とし、級内相関係数(ICC)を求め、信頼性を検討した。3回のICCは、左右方向の総軌跡長、前後方向の接地回数と接地時間では0.7以上であり、高い信頼性が得られたが、他の変数は0.392~0.697で、テストの信頼性は得られなかった。新規の動的バランステスト変数の信頼性を高めるために、次年度は、中高年者を対象に、若年者と同様の条件にて、動的バランステストを行い、さらに測定法や解析法の検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度における研究課題1では、新規の動的・静的バランス器具の開発を行い、その器具の適切なテスト条件の検討を60歳以上の高齢者88名と若年者96名について行った。研究課題2では、新規の動的・静的バランスの信頼性の検討を若年者を対象に級内相関係数(ICC)を用いて検討した。研究課題1では、60歳以上の高齢者を対象に、重心動揺軌跡長と下肢筋(ヒラメ筋、腓腹筋、前脛骨筋)を指標とし、年齢差と性差、および体格との関係を検討した。動的バランス能力テストは、若年者96名を対象に左右および前後方向の条件にて、動的バランス測定器上で1分間、各3回行った。各3回の総軌跡長、外周面積、接地回数、および接地時間を指標とし、級内相関係数(ICC)を求め、信頼性を検討した。よって、研究課題1と2は、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究課題は、次の1、2について検討を行う。 1.平成29年度の課題2である新規動的・静的バランステスト器具の信頼性及び妥当性の検討について、さらに対象者の範囲を拡大して行う。 2.新規動的・静的バランステストと歩行能力及び下肢筋力テストの関係の検討を始める。 研究課題1の具体的な方法として、動的バランステスト時間とテスト回数の検討を行う。昨年度は左右、前後方向、各3回、1分間実施し、検討したが、20秒、及び30秒間値を算出し、ICCとの関係の検討や疲労、及び学習の影響について検討する。研究課題2では、動的・静的バランステストと歩行能力(TUG)、及び下肢筋力テスト(静的筋力)との関係について検討する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、研究課題が採択された時期が7月であったため、研究課題である静的・動的バランスシステムの開発が遅れ、新規に開発する静的・動的バランスシステム機器の納品が年度末となった。そのため昨年度はその機器を用いて充分な測定ができなかった。また、研究代表者、および一部の研究分担者が、その機器を用いて当初計画していた出張先での測定を行うことが出来ず、その結果として出張旅費を充分に使うことができなかった。次年度の使用計画としては、地方の高齢者や園児等を対象に新規に開発した静的・動的バランスシステムを用いて測定に行く計画を進めており、また、学会で海外出張も計画しているため、今年度の未使用額は解消できると考えている。
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