2017 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の認知機能維持を図るための人型ロボットのプログラム開発
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17K19833
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中村 裕美子 大阪府立大学, 看護学研究科, 教授 (10299266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真嶋 由貴恵 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (70285360)
坂田 信裕 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50362132)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 認知機能 / ロボット / 健康プログラム / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.高齢者情報リテラシー調査:平成30年3月に、認知機能予防教室(以下、教室)の参加者55人を対象に,情報リテラシーに関する実態調査を質問紙により実施した.結果、日常生活での能力として、銀行ATM機の操作は、「一人でできる」87.2%、駅の券売機の操作は、「一人でできる」80.0%、電話の種類は、携帯電話54.5%、スマートホン23.6%であった。 2.人型ロボットの健康プログラムのプロトタイプ開発:Pepperのプログラム2本、ロボホンのプログラム2本を開発した.内容は、「旧字体の漢字の読み方」「遅れて回答する計算」「クイズ」で、ロボットが音声とパネルで問題を出題し、リーダーが補足して、参加者が答える形式で.記憶,思考が刺激されるものである. 3.人型ロボットを活用した試行:上記の健康プログラムを、教室において平成29年11月と平成30年3月に試行した.参加者は11月40人、3月56人であった。参加者の反応はよく、集中してクイズなどに参加できていた. 4.高齢者のロボットに対する親和性調査:平成30年3月に教室において、複数の人型ロボット、動物型ロボットの6種の実機を提示しながら機能を紹介した.それに基づいて高齢者の親和性と反応行動を調査した.結果、興味を持ったロボットは、1位犬型ロボット、2位電話付小型人型ロボット、3位大型人型ロボットであり、かわいいものにひかれていた.教室では、ロボットに「近づいた」81.8%、「声掛けや触れる」65.5%と高く、実際に触れ合う行動が多数みられた。ロボットに対する機能の希望は、「話し相手」「わすれものを確認」「今日の予定を知らせる」「服薬の確認」など、認知行動の支援が多く見られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高齢者情報リテラシー調査は、100人を予定していたが、55人のデータ収集であったため、次年度以降に追加調査を実施する予定である。そのほか、健康プログラムのプロトタイプを作成し、試行調査を実施することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、人型ロボットのコミュニケーション機能を活用した健康プログラムの開発を目的としているが、プログラムの評価を実施するために、動物型ロボットや単機能のロボットなどとの比較検証を実施していく予定である。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画では、人型ロボットPepper1台の購入と3年間の管理費を初年度に計上していたが、研究分担者の所有する機材を利用することができたため、経費の残額が発生した。 次年度は、新規に開発されたロボットを購入し、研究で検証する機材を増やす予定である。
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