2018 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の認知機能維持を図るための人型ロボットのプログラム開発
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17K19833
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中村 裕美子 大阪府立大学, 看護学研究科, 教授 (10299266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真嶋 由貴恵 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (70285360)
坂田 信裕 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50362132)
小泉 亜紀子 大阪府立大学, 看護学研究科, 助教 (60822559)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 認知機能 / ロボット / 健康プログラム / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.人型コミュニケーションロボットを用いた認知機能強化にかかわる健康プログラムの開発:2本のプログラムを開発した。①Pepper(ソフトバンク社)のプログラム「ギターの演奏と合唱」内容は、ギター(ブンネ社)の演奏のリードをロボットが声とスライドで行い、参加者が、ギターのピック、スライドバーを操作して、コードを合奏する。楽器担当者以外は、歌を歌ってメロディを付ける。②ロボホン(シャープ社)のプログラム「画像記憶クイズ」内容は、ロボホンがクイズを出題して、参加者の答えに反応して会話を行う。スライドと連動して画像を提示し、参加者に記憶を促す。別の画像を提示して、その場で答えを出し合う。その後に前の記憶した画像を想起することを促す。この繰り返しで数問出題する。じゃんけんや計算問題を提示した。2018年10月30日、11月1日にそれぞれ実証実験を行った。参加者は両日とも80人であった。 2.プログラムの評価:参加者にプログラム実施後にアンケート調査を行った。ロボットの反応については、返事の速度が遅いが多くあったが、会話内容や身振り、音声の聞き取りや速さは、よい評価であった。ロボットとアクティビティをすることについては、面白い、楽しい、集中できるが多く、面倒や人だけが良いは少なかった。 3.高齢者のロボットに対する反応調査:参加者(男女各5名)にプログラム開始前と実施後に、複数のロボットを提示し、聞き取りの様子をビデオ録画した。前後の表情の変化から、ロボットに対する高齢者の反応を分析した。 以上の結果より、高齢者はロボットに興味や関心を持ち、活動の中にロボットを入れていくことには違和感を持っていないことが明らかになった。今後、介護や健康予防活動に活用していくことが可能であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
健康プログラムの開発は順調に進み、参加者からの良い評価が得られている。 高齢者のロボットに対する反応を客観的に行う試みとして、表情の分析を実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに開発したロボットを用いた健康プログラムの実証実験を、これまでと異なる対象に実施していく予定である。また、動物型ロボットとの高齢者の親和性について比較も実施する予定である。 研究成果の発表として、7月の国際学会(IIAI2019,富山市)で発表する予定である。また、日本看護科学学会において発表と交流集会を開催し、広く情報交換と成果発信を行う予定である。
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Causes of Carryover |
人型ロボットの管理費を他の研究経費で充てたため、経費の残額が生じた。 次年度は、学会発表を行っていく予定である。
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