2017 Fiscal Year Research-status Report
地域で暮らす障害者に対する慢性疾患管理と地域連携モデルの構築
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17K19836
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Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
高山 望 北海道科学大学, 保健医療学部, 講師 (50451399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹木 弘美 北海道科学大学, 保健医療学部, 准教授 (20275499)
松原 三智子 北海道科学大学, 保健医療学部, 准教授 (20304115)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 疾病管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.目的:本研究は、通所施設の利用者(高次脳機能障害、知的障害、精神障害を含む)を対象として、看護師が生活習慣病(高血圧症、糖尿病、動脈硬化)を中心とした慢性疾患のリスクアセスメントを行い、リスク階層別に応じた介入方法の構築をめざすことを目的とする。中心概念は「疾病管理」とし、障害者に対して看護師の出張による慢性疾病管理を展開する。具体的には、高リスク層には事例ごとに家族や通所施設、医療機関との地域連携を活用し、服薬・食事・運動療法等を継続することで、慢性疾患の重症化を予防するための疾病管理方法を構築する。生理学的な指標の改善を目標とする。翌年に中リスク層への介入、翌々年に低リスク層への介入を実施し生活習慣の改善につなげるための教育プログラムを構築する。 2.これまでの研究成果:H29年度は、障害者を対象としたA市内の通所施設1施設に対してパイロットスタディを実施した。その結果、参加者は17名でうち3名を除外した15名(男13名、女1名)を分析対象とした。身長は、男性168±7.6cm、女性154cm、体重は男性79.9±20.0kg、女性75.5kgだった。BMIは、男性28.1±5.9、女性31.8だった。腹囲は、男性96.3±14.6cm、女性113cmだった。肥満度4が1名、肥満度3が1名、肥満度2が2名、肥満度1が5名、正常6名だった。メタボリックシンドロームの疑いがある者は男性9名、女性1名だった。生体計測器(BCチェッカーver.10.00や体組成計)の購入遅れ、通院による血液検査、生体機能検査等の最新情報を入手困難であったため、3つのリスク層に分類できなかった。 3.考察:肥満度3あるいは4の者はいずれも20歳代の男性で、高血圧症、糖尿病、動脈硬化症等の生活習慣病を罹患していなかった。60歳以上の高齢者は、2つ以上の生活習慣病を罹患しており、主治医より何らかの治療を受けていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.目的:現在H29年度の目的である、複数の通所施設を利用する障害者の小集団に対して、看護師の出張サービスによって、生活習慣病を中心としたリスクアセスメントを行うことで慢性疾患のリスクを階層化し、高リスク層に対する慢性疾患管理モデルと地域連携モデルを構築することを目的とする。まだパイロットスタディに留まっているため、介入を実施していくことが研究課題である。 2.理由:生体計測器(BCチェッカーver.10.00や体組成計)の購入遅れ、通院による血液検査、生体機能検査等の最新情報を入手困難であったため、3つのリスク層に分類できなかった。そのため、研究協力施設に対して、通院先からの診療情報をどのように入手するのか再検討が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
1.研究の全体計画:パイロットスタディの結果を分析して、介入プログラムを修正し、UMINへの臨床試験登録を行う。また、本学倫理審査委員会に申請し介入研究実施の承認を得る。 対象施設については、研究協力施設をきょうされん北海道支部に所属している共同作業所に広く呼びかけ、協力施設を募集する。 研究分担者は、同じ研究期間に所属しており、公衆衛生看護学、精神看護学に従事し研究を実施しているスペシャリストであり、本研究の学術的、実践的サポートを引き続き得る。また、研究協力者の追加募集を行う。生活習慣病の生活指導経験のある看護職または保健師職1~2名を雇用し、データ収集に十分対応できるチーム編成をする。
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Causes of Carryover |
計画当初は、BCチェッカーver.10.00を1泊2日3万円、2泊3日4万円でレンタルする予定であったが、今後、介入規模を拡大する予定であり、かつ価格も低下が見込まれため、今後のスムーズな研究遂行のため、27万円で購入した。また、研究課題に対する情報収集のため、きょうされん全国大会(9月)への参加したため、参加費を追加計上した。その反面、人材を雇用して大規模調査は実施できていないため、人件費15万円程度、会議費7万円程度の減額となった。以上のことから、決算額130万円となり、次年度の繰越金額185,522円となった。
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