2018 Fiscal Year Research-status Report
Dental identification technique using the optical impression.
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17K19844
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
中村 安孝 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (40598851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠原 典夫 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (30778478)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 光学印象採得装置 / 歯科的個人識別 / 大規模災害時身元確認 / 法歯学 |
Outline of Annual Research Achievements |
大規模災害の被災地における身元確認は多くの問題を抱えている。特に、被災地現場において身元確認作業に従事する歯科医師の確保は大きな課題となっている。しかし、十分な身元確認協力歯科医師が確保できたとしても、現場側の受け入れ体制が整っていなければ、実可動人数に制限がかかる事になる。被害が大きくなり、被災範囲が広域になればなる程人員が必要になるが、同時にマンパワーを大量投入する事も難しくなっていく。歯科医師が現場に赴かずとも、身元確認に協力できるシステムを構築できれば、マンパワーの不足を補える事になる。 そこで本研究は、近年歯科業界での普及が進んでいる光学印象採得装置・口腔内スキャナー(口の中をスキャンして、精密な3Dモデルを作成する)の身元確認への応用法を提示する目的で始められた。一つの可能性として、光学印象採得により得た3Dモデルから身元確認に必要な歯科治療情報を読み取ることが可能であれば、災害現場における身元確認作業は、犠牲者の口腔内光学印象採得・写真撮影・X線写真撮影のみを行い、得られた3Dモデル情報を遠隔にいる身元確認協力歯科医に送信する事が業務となる。身元確認協力歯科医は、今まで現場に赴き、犠牲者の口腔内を覗き込んで作成していたデンタルチャートを、自身の診療所や職場環境で3Dモデルを診査しながら作成することが可能になる。 実験では、それぞれに異なる歯科治療を施した150個の顎模型を用意し、それらに光学印象採得装置トロフィー3DIプロ(ヨシダ)による光学印象採得を行って得た3Dモデルから、身元確認に必要な歯科治療痕を確認した。結果として、2100歯中に判定に誤りがあったのは4歯に留まり、光学印象採得装置から得られた3Dモデルからのデンタルチャート作成は、口腔内診査と変わらない精度で行えることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に従い、試料である顎模型の作成を行い、使用する光学印象採得装置を選定し、トロフィー3DIプロ(ヨシダ)を購入した。150模型2100歯の試料に光学印象採得を行って、得られた3Dモデルを診査することで、実際の口腔内を診査するのと変わらない・もしくはそれ以上の精度で身元確認に必要なデンタルチャートの作成が行えるか否かの検証を行った。これらの成果を学会で発表し、論文を投稿した。掲載は2019年7月以降となっている。 次なる実験として、歯科医院に保持される生前の口腔内の3Dモデルを、死後の口腔内から得た3Dモデルと比較検討する事で、その形態の一致度から個人を識別する、光学印象3Dモデルを用いたスーパーインポーズ法の模索に向け、ソフトウェアの選定を行い、工業製品の品質検査を目的としている、非接触点群と3時限CADデータを利用した製品検査ソフトの spGauge(株式会社アルモニコス)を購入済みであるが、代理店の書類不備により、会計は2019年度分に持ち越されている。
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Strategy for Future Research Activity |
新たな身元確認法として、歯科治療痕による個人識別ではなく、歯科診療時に採得された3Dモデルと死後の口腔内3Dモデルのスーパーインポーズによる個人識別法の基礎を示し、その手法の確立を目指す。まずは作成した顎模型を使用して、重ね合わせから差分を検出するための検査手法を確立し、複数回の3Dモデル重ね合わせ試験を行って、これら顎模型の間での異同識別が行えるか否かを判断する。顎模型は同一の規格で製造されており、その個体差は製品の作成精度に由来する細かな相異と付与した歯科治療による相異であるが、これらの相異を判定可能であれば、実際の個性に富む口腔内への応用が可能であると考えられる。 同時に、3Dモデルからのデンタルチャート作成の発展として、3Dモデル画像を自動的判定し、その治療形態を、海外で広く使用されているINTERPOL書式のデンタルチャートに転写する方法を模索する。
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Causes of Carryover |
今年度末の3月上旬に、研究に必要なソフトウェアであるspGauge(株式会社アルモニコス)を購入済みである。これらのソフトウェア・ライセンス料 78万円(税別)、初年度保守費 37万円(税別)は、今年度の科研費の主たる使用予定であったが、代理店の書類不備に伴い支払いが次年度(2019年度)となっている。 そのため、次年度使用額が生じている。
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Research Products
(1 results)