2018 Fiscal Year Research-status Report
シルバー人材センターの新規事業としてのSP養成の可能性の検討
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17K19846
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
栗林 好子 東京医療保健大学, 看護学部, 助教 (50614054)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 模擬患者 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度の計画は、①シルバー人材センターの新規事業としての「SP養成」およびカリキュラムの実施、②シルバー人材センター登録者の入院経験・闘病経験を活用したシナリオ作成、そのシナリオを活用したSP参加型教育の実施・評価、③新規事業としての研究まとめとしていた。 ①については、協力していただくシルバー人材センターより新規事業としては雇用形態(請負制)の関係から難しいとのことで、ひとまず登録者への研究参加依頼ならば実施可能とのことで開始した。結果、6名のシルバー人材センター登録者の参加協力を得て、前年度に作成した「SP養成」カリキュラムを実施した。カリキュラム実施中に1名の辞退者があり、結果的に5名がカリキュラムを終了した。 ②については、SPとなった5名の入院経験・闘病経験を活用したシナリオ作成を行い、5つのシナリオを完成した。そのシナリオを用いて学部生1年生に対して、シルバー人材センター登録者SPを活用した実習前のコミュニケーション演習としてSP参加型教育を実施した。評価のため、学生には演習前後にアンケート(藤本・大坊のコミュニケーション・スキル尺度(ENDCOREs)、坂野・東條の一般性セルフエフィカシー尺度)を実施し、SPには終了後にインタビューを行った。 ③については、演習前後のアンケート、参加者のインタビューおよび実際のシルバー人材センターの雇用形態などシルバー人材センター職員のインタビュー等から新規事業としての可能性の検討を行っているが、まだ終了していない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
シルバー人材センター登録者への「SP養成」カリキュラムの実施、彼らの入院経験・闘病経験を活用したシナリオ作成、そのシナリオと養成したSPを活用したSP参加型教育の実施は、当初6月の実習前までに終了する予定だった。しかし、前年度の計画がずれ込み、「SP養成」カリキュラムへの着手が6月からとなり、実際のSP参加型教育の実施も12月と大幅に遅れたため、全体的に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の計画では、シルバー人材センターでの新規事業化としてSP養成や活用について、シルバー人材センターおよび医療職種大学(医学・薬学・歯学・理学・看護学など)へ全国調査を実施する予定である。しかし、現段階でシルバー人材センターの新規事業としては雇用形態の問題(請負=雇用者から直接業務に関する要望を作業者には指示できない)があり、この請負制については各センターで徐々に雇用形態の見直しなど過渡期であることから決して新規事業として可能性が無いわけではないが、「SP養成」をシルバー人材センターでの新規事業として全国調査を開始する以前に限界が予想される。 今後の方向性としては、センターで統括するボランティア活動としての事業ならば可能(活動そのものに縛りはなく、活動依頼者からの直接的な指示や要望を行っても支障はない)であることが把握できており、全国調査もボランティア活動として登録者を募った場合のSP養成・活用方法についてを再考したうえで全国調査にとりかかる。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、SPとしての参加協力者が当初の予定人数より集まらず、SP養成およびSP参加型教育実施にかかる費用(雇用、謝金)が少なかったことや、研究そのものがおくれまとめが年内に終了せず、成果発表のための学会参加をせずに終了したためである。 使用計画については、H31年度の全国調査にむけたシルバー人材センターのボランティア活動を含めた事業に関する情報収集、および成果発表(情報収集を含めた)のための学会参加を実施する予定である。
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