2018 Fiscal Year Research-status Report
「在宅人工呼吸器装着下難病患者の災害時緊急医療手帳アプリケーション」の開発
Project/Area Number |
17K19848
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Research Institution | Hokuriku University |
Principal Investigator |
高橋 純子 北陸大学, 医療保健学部, 准教授 (60636596)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 災害支援 / 在宅人工呼吸器 / 緊急医療手帳 / アプリケーションソフト / 難病 / 開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
大規模災害下では、在宅人工呼吸器を装着した難病患者が医療施設に入ることが困難な事例も発生しており、また、ICTシステムに登録のない患者や支援機関であれば情報連携がないことから、正確な治療情報が把握できず、迅速な生命維持につながらない。特に24時間生命維持管理装置を使用している患者の場合は、医療機器の設定や特殊薬剤、特殊栄養など数多くの情報を必要とするが、患者・介護者も年々高齢化し、医療機器など治療に関する説明を求めることは困難である。 本研究の目的は、これらの治療や療養に関する情報を限定された患者や支援機関の情報連携(ICTシステム)だけではなく、患者・家族の任意・主体性による情報入力・更新を実施するためのアプリケーションソフトを開発することである。平時から、本ソフトがインストールされた端末を使用し、治療や療養に関する情報を患者・家族が支援機関と共に管理するが、大規模災害下では、他施設へ支援を求めたり、避難所で治療や療養が必要となった際に、これらの情報を提供し、速やかに支援を受けることや安否情報を発信することができる。また、端末を介してその場にいる関係者に情報を共有することで包括的支援を速やかに構築し、迅速な生命維持管理を可能にする。 今年度は、保健所、難病支援病院、訪問看護ステーションなど全国無作為に抽出した関連の1000施設を対象に「災害時緊急医療手帳」及びそれに関連する資料の回収に協力いただいた。そこに記載されている項目の共通性を見出すため項目を整理し、統計学的手法において優先すべき項目を抽出し、アプリケーション制作への基本モデルを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大きな遅延なく、必要データの分析を元に、現在アプリケーション制作会社との打ち合わせ及び、制作の依頼をした。現状では6~7月頃にVer.1のアプリが仕上がる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、「在宅人工呼吸器装着下難病患者の災害時緊急医療手帳アプリケーション」の試用と普及を目指すために、 ① 試作段階のアプリケーションソフトを保健師・訪問看護師、および在宅診療支援に携わる医師に協力・確認いただき、操作性に関する問題点を抽出し、修正を図る。 ② 研究協力の同意を得られた在宅人工呼吸器を使用する患者・家族へタブレット端末を3ヶ月、状況を見て半年間を目安に設置し、①の研究協力者に実際の運用に協力を依頼する。 ③ 研究者が月1回ペースで、在宅訪問を行い、患者家族や支援機関関係者に情報の入力状況、端末の持ち出しの状況、操作性、情報の更新の頻度など聞き取り調査を実施する。 ④アプリケーションの普及のためiOSにより誰もがアプリケーションソフトをダウンロードできる環境を整備していく。
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Causes of Carryover |
アプリケーション制作費が計画よりかからなかった。差額は、次年度の試用状況の確認(旅費・謝金)へ補充する。
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