2019 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of rice-farming care for comprehensive QOL of elderly people with dementia
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17K19869
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
宇良 千秋 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (60415495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 毅 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (10463845)
山崎 幸子 文京学院大学, 人間学部, 准教授 (10550840)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 認知症 / 稲作ケア / ケア・ファーミング / 精神的健康 / 社会的包摂 / 農福連携 / パーソン・センタード・ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
成果1 :稲作ケアプログラムと通常のデイケアにおける効果の比較 軽度認知障害・認知症の人を対象に、稲作ケアプログラムに参加した15名と通常のデイケアに参加した14名について稲作ケアプログラムの効果を検証した結果,稲作ケアに参加した群で事後のWHO-5得点(精神的健康度)に有意な改善効果がみられた。 成果2:年間を通じた稲作ケアプログラムの実行可能性の検証 従来の稲作ケアプログラムを発展させて、年間を通じて実行可能なプログラムを開発した。プログラムの実施期間は冬季も含めた2019年5月から2020年3月とし、週1回、計43回実施した。プログラムの内容は、従来の稲作ケアプログラムに、収穫した米や野菜を活用した活動を追加し、主に秋から冬にかけても活動できるような内容にした。たとえば、収穫した米を脱穀、調整、精米し、収穫祭や七草粥、ひな祭りのちらし寿司を作った。また、病院の中庭の梅で梅シロップや梅干を作ったり、茄子やかぼちゃでバーベキューをしたり、大豆を節分の豆まきに使ったりして、収穫されたものを様々な行事に活用した。結果として、2019年度に開発した稲作ケアプログラムでは、年間を通して多様な活動が実施可能であった。 成果3:農作を認知症ケアに応用するための要件の検討 オランダでは社会的困難を抱える人を対象にケア・ファーミングと呼ばれる農福連携によるケア実践が行われている。2017年11月にオランダのケアファームを視察調査した結果をもとに、農作をわが国の認知症ケアに役立てるための要件について考察した。オランダの取り組みの特徴は,農業生産の持続可能性の確保というよりは,農村景観を用いた福祉サービス資源もしくは観光資源として位置づけられ,その運営理念は,利用者の状況に合わせた個別性の尊重、つまり「パーソン・センタード・ケア」であると考えられた。
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