2017 Fiscal Year Research-status Report
終末期せん妄を正常な死の過程―お迎え―捉えなおすことによる家族ケアの効果の検証
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17K19875
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Research Institution | National Hospital Organization, Kyushu Cancer Center |
Principal Investigator |
大谷 弘行 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, 緩和治療科医師 (10600067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 達也 聖隷クリストファー大学, 看護学研究科, 臨床教授 (70513000)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | せん妄 |
Outline of Annual Research Achievements |
死亡直前期に患者の意識変容が生じることは医学的には終末期せん妄と呼ばれる。本研究の目的は、「せん妄は正常な死の過程の一部であるという視点を取り入れたケアは、家族のつらさをやわらげるか?」を明らかにすることである。平成29年度は、これまでに行われた研究の結果に基づいて研究実施可能性を考慮した計画書と介入手順書を作成を行っている過程である。介入事項として、家族に家族自身のせん妄の意味づけについて最初に確認した上で、医療者からせん妄は正常な死の過程の一部であるという考え方もあることを家族に示し、患者死別のための心の準備を促す声掛けケアを行うことを計画している。評価項目として、この介入によって「せん妄に対するつらさ・抑うつ」、「せん妄に対するケアの改善の必要性」が改善するかなど、先行研究にそって項目を検討している。本研究によって、せん妄とよばれてきた体験に肯定的な意味づけをもたらすことのできるケアの方策を提供できる。すなわち、終末期のせん妄を「異常な生理学的な現象」と捉えて、抗精神病薬を投与など、医学的なモデルに基づいて、原因の治療と説明と精神的なサポートにとどまっているのに対して、終末期せん妄を正常な死の過程の一部と捉えなおすという新しいケアを導入できる。さらに、本研究で計画している質的調査により、せん妄を日本人がどうとらえているかの文化的背景の理解が深まり、死を看とるという文化の醸成にもつながりうると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究構想の着想が奇抜であるために、研究を完遂するにあたっての実施可能性の考慮、そしてこの研究の結果をもとに日本における死を看取るという文化の醸成への貢献方法の熟慮にあたって時間を要している。また、終末期患者は身体・精神的な脆弱性が高く、指針の定義する「社会的に弱い立場にある者 vulnerable subjects」に該当し得る集団であり、研究実施にあたって、患者保護のために特別の配慮について検討を重ねている。
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Strategy for Future Research Activity |
着実な遂行にあたって、今までこの分野に携わってきた専門家と意見を交わすことにより、実施可能性・文化の醸成への還元貢献・患者保護への方策検討の促進を行い、速やかに本研究の倫理審査を終了し、患者登録を行う。
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Causes of Carryover |
文書管理やデータマネジメントを行うためこれまでに事務員1名に対する人件費を計上していたが不在となった。平成30年度研究実施遂行にあたって、より煩雑な文書管理やデータマネジメントを要するため、事務員の増員2名し研究を着実に行っていく。
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Research Products
(9 results)