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2018 Fiscal Year Research-status Report

Innovative Study on Quality of Social Interaction and Mental Health in Aging

Research Project

Project/Area Number 17K19891
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

小川 園子  筑波大学, 人間系, 教授 (50396610)

Project Period (FY) 2017-06-30 – 2020-03-31
Keywords社会的探索行動 / 個体識別 / 社会的認知 / 不安・抑うつ傾向 / 社会的環境条件
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、通常の飼育環境に近い状況下で、長期間にわたって、他個体との関わりのレベルの多寡が社会的関係性の形成・維持や、認知、不安・抑うつ傾向に及ぼす影響について明らかにすることであった。そのために、各個体の社会的環境条件、すなわち他個体との接触時間を実験者が自由に操作することを可能にする行動実験装置を新たに考案し作製した。中央エリア(40cm x 40cm)の4隅にトンネル状の通路で4つの小ケージA, B, C, D(各15cm x 8cm)を繋ぎ、各々、マウスA, B, C, Dが居住するホームケージとした。各ホームケージと中央エリアとを繋ぐ通路 には、スライド式の不透明なドアをはめ込むことにより、マウスの通行を実験者が自由にコントロールできるようにした。さらに、中央エリア内でのマウスの個体間行動の撮影記録のために装置の上にCCDカメラを設置した。30年度には、この装置を完成させ、実験開始時に約30週齢のC57BL/6の雌マウスを用いて予備実験を行なった。小ケージA、Cの居住マウスは2週間にわたって暗期に2時間、中央エリア内で自由に社会的接触をさせ(social enrichment群)、小ケージB、Dの居住マウスは、全期間にわたってホームケージでのみ過ごさせた(social deficit群)。その後、オープンフィールドテストおよび未知の雌マウスへを刺激としたソーシャルインターラクションを行い、2群間での行動を比較した。social deficit群のマウスはsocial enrichment群に較べて、オープンフィールドテストでの中央区各滞在時間が短く不安傾向が見られたものの、社会的刺激に対する興味はむしろ増大していることがわかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

29年度での計画の遅れを30年度には概ね解消し、当初の計画に沿って研究を推進することができた。特に、新たに考案、作製した行動実験装置(4+1ケージ型社会行動測定装置)を使用することにより、通常の飼育条件を乱すことなく個体間の接触時間を操作することが可能となり、social deficit群とsocial enrichment群のマウスの間で、不安傾向や社会性行動において、違いを見いだすことができた。31年度に引き続き実験を重ねることにより、十分な成果が得られるものと考えている。

Strategy for Future Research Activity

social deficit群(他個体と社会的な触れ合いがない)とsocial enrichment群(毎日、一定時間、ホームケージから中央区画に出て、他個体と社会的な触れ合いを経験)との違いをより明確にするために、4+1ケージ型社会行動測定装置にマウスを導入するまでの飼育条件をさらに厳しく統制して実験を重ねることを計画している。その上で、加齢マウスに加えて、社会性行動に変容が見られることが知られているオキシトシン受容体欠損マウスや、エストロゲン受容体ベータ欠損マウスを用いて、他個体との接触時間の多寡(social enrichment群 vs social deficit群)が社会的関係性の形成・維持に及ぼす影響について解析する。さらに、 他個体との関わりのレベルと認知、不安・抑う つ傾向との関係についても明らかにする。

Causes of Carryover

29年度に予定していた行動実験装置の設計に予想以上に時間がかかり、30年度に完成し、予備実験をほぼ終了することができたものの、本実験については着手したのみで、引き続き行動実験を推進する必要がある。31年度には、本実験および行動解析に従事する実験補助者の雇用、実験用マウスの購入および維持、消耗品の購入の経費として助成金を使用する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2019 2018

All Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Invited: 1 results)

  • [Journal Article] Estrogenic regulation of social behavior and sexually dimorphic brain formation.2018

    • Author(s)
      Ogawa, S., Tsukahara, S., Choleris, E., and Vasudevan, N.
    • Journal Title

      Neuroscience and Biobehavioral Reviews

      Volume: Oct 27 Pages: pii: S0149-7634

    • DOI

      10.1016/j.neubiorev.2018.10.012.

    • Peer Reviewed / Int'l Joint Research
  • [Presentation] Neuroendocrine Regulation of Neural Networks for Social Behavior.2019

    • Author(s)
      Ogawa, S.
    • Organizer
      The 9th FAOPS (Federation of the Asian and Oceanian Physiological Societies) Congress
    • Int'l Joint Research / Invited

URL: 

Published: 2019-12-27  

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