2017 Fiscal Year Research-status Report
体内動態と生理活性に基づく、天然由来の健康増進飲料に含まれる肝保護物質の探索
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17K19895
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
豊田 優 東京大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (80650340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 龍平 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90376468)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 栄養学 / 食品 / 生理活性 / トランスレーショナル研究 / 脂肪肝 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗脂肪肝作用に代表される肝保護物質がコーヒー中に存在するとの指摘があるが、その実体のみならず、コーヒーに含まれる各成分やその体内動態に対する理解すら未だに乏しいのが現状である。本研究では、機能性をもたらす分子実体の理解を目指して、脂肪肝抑制作用を有するコーヒー成分の探索を行うことを目的として企画されている。 本計画において代表者らは、非ターゲットメタボロミクスを駆使した「コーヒー由来成分の網羅的体内動態解析」と、独自に見出した「よりヒトに近い肝臓を有する脂肪肝モデル動物」を組み合わせ、コーヒーが有する潜在的健康増進効果の分子実体に迫るべく検討を進めた。 研究開始初年度となる平成29年度は、まずコーヒー由来成分の体内動態解析を行うために、コーヒーを混水投与したマウス(投与群)とコントロール(非投与群)の血清を対象とする非ターゲットメタボロミクス差異解析を実施した。各成分を液体クロマトグラフィー(LC)で分離後、フーリエ変換型質量分析計(MS)で網羅的に分析し、ピーク情報として帰属した結果、投与群で有意に変動していた1940のピークが見出された。その中には、代表的なコーヒー成分であるカフェインのみならず、パラキサンチンやテオブロミンといったカフェイン代謝物も含まれており、体内に吸収されたコーヒー成分およびその関連代謝物も帰属化できたものと期待される。また、投与前のコーヒーに含まれる成分の網羅的分析結果と照らし合わせることで、代謝等による化学的構造変換を受ける前のコーヒー成分を選別できることも確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コーヒー由来成分の体内動態解析に着手し、一定の成果が得られつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究開始2年目となる平成30年度は、必要に応じて平成29年度の研究計画を継続しながら、更なる検討を重ね、抗脂肪肝作用が期待される候補成分の絞り込みを行う。これまでの検討の結果、in vivo脂肪肝モデルを確立することに成功しているため、実験動物を用いたin vivo解析をより精力的に推進していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
網羅的成分分析に使用している質量分析機器の故障・修理が相次ぎ、本研究に関する実験が行えなかった時期があるため。現在は当該機器の修理は完了している。平成29年度と同様、各種試薬や実験動物購入・維持費用などの消耗品費として主に使用することになるが、一部は得られた研究成果を学会において発表するための旅費、国際誌への論文投稿のための校閲費・印刷費・研究成果投稿料としての謝金・その他の費用として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)