2017 Fiscal Year Research-status Report
Fundamental research for treatment of age-associated diseases using deep-ultraviolet light emitting diode
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17K19903
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西田 佳弘 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (50332698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 英介 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (40612841)
生田 国大 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (40732657)
樋口 善俊 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (80792738)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | LED / 骨粗鬆症 / ビタミンD / サルコペニア |
Outline of Annual Research Achievements |
深紫外線各波長を照射できるLED機器の安定供給およびUVA領域の波長を照射できるLED機器の開発および提供は日機装技研の浅野英樹氏(研究協力者)により実施された。ビタミンD短期欠乏(4週間)マウス、ビタミンD長期欠乏(28週間)マウスを作製し、波長を副作用の少ない315nmに限定し、照度を0.54mW/cm2, 0.27, 0.16, 0.12, 0.08, 0.04と段階的に減少させ、血中25(OH)D値を上昇させる最低照度を0.16mW/cm2と特定した。0.16mW/cm2まで照度を減少させても、血中1,25(OH)2D値においても0.54mW/cm2, 0.27, 0.16は対照と比較して有意に高値を示した。25(OH)D 水酸化酵素であるCYP27a1のmRNA発現も照射群で高値を示す傾向にあった。1,25(OH)2D 活性化酵素であるCYP27b1のmRNA発現については照射群が対照と比較して高値を示すことはなかった。32週時のμCTによる骨形態(Tb.BV/TV(%)、Tb.BMD(g/cm3)、Ct.Th(mm)の評価では、照射群と対照群の間に有意な差は認められなかった。 卵巣摘出マウスの作成を進め、ビタミンD欠乏食、通常食群それぞれを卵巣摘出実施・非実施群に分け、これら4群について血中25(OH)D値、1,25(OH)2D値を測定し、卵巣摘出の実施有無についてはビタミンD値に影響を及ぼさないことを明らかにした。これらのマウスに対するμCTによる骨密度等の評価を実施し、骨密度、Tb.BV/TV、Ct.Thが卵巣摘出群で有意に低下することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ビタミンD欠乏マウスに対するμCTを実施しているが、まだ筋量測定には至っていないが、次年度にこれまでのデータをまとめることができ、サルコペニアモデルとなるかを評価する予定である。また老化促進モデルマウスの実験開始にはいたっていないため、認知症モデルマウス(SAMP8マウス)確立については研究が遅延している。 副作用を軽減する目的で、照度を段階的に減少させても血中ビタミンD濃度が下がらないことを確認した。しかし、その濃度域でも臨床上必要なビタミンD血中濃度よりは若干低いため、今後波長は変えずに総照射量を増加させるなどの対応が必要となる。
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Strategy for Future Research Activity |
ビタミンD欠乏食マウス、SAMP6骨粗鬆症モデルマウスそれぞれにおいて、副作用の少ない315nm波長を照射できるLED機器を用いて、照度を下げ、照射量を上げて照射を実施し、血中25(OH)D3値・血中1,25(OH)2D3値の評価、および血中25(OH)D3値、1,25(OH)2D3値の代謝酵素である肝臓中のCyp27a1、腎臓中のCyp27b1のmRNA発現量を解析する。またμCTにて骨密度の評価、3点曲げ試験による骨強度を評価し、骨は組織学的評価でも解析する。卵巣摘出マウスにおいても同様にLED機器により照射を行い、血中ビタミンD値、代謝関連mRNA、μCT評価、組織学的評価を実施する。同時に骨代謝関連マーカー、Ca、P値、PTH値も測定する。 サルコペニアモデルマウスについてはビタミンD欠乏食と卵巣摘出マウスについてμCT結果から評価し、紫外線照射の効果を解析する。痴呆モデルマウスについてはSAMP8マウスを研究協力者より入手し、同様に紫外線照射による治療効果を評価する。これらの実験を通して、照射照度・量により皮膚を中心とした副作用の程度を調査する。 研究協力者の日機装技研と協力して携帯式のLED照射機器を開発し、プロトタイプができあがれば本学産学官連携推進本部、先端医療・臨床研究支援センターの支援を受けてPMDA相談を再度実施する。
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Causes of Carryover |
ビタミンD欠乏食マウスおよび骨粗鬆症モデルマウス、卵巣摘出マウスにおいて血中ビタミンD・各種骨代謝マーカー値を測定する予定であったが、予定数より少ない検体数となり、次年度使用予定となった。同様にLED照射による骨組織評価目的に外注組織染色を実施する予定であったが、次年度に持ち越した。μCTによる骨形態評価、3点曲げ試験による骨強度評価についても、予定数より少ない検体数を実施したため、次年度に解析する数が増えた。 次年度はビタミンD欠乏食マウスおよび骨粗鬆症モデルマウス、卵巣摘出マウスそれぞれにおける血中ビタミンD・各種骨代謝マーカー値(Ca, P, PTH, TRACP-5b)の測定、LED照射後の骨組織染色(Villanueva Goldner stain)、3点曲げ強度試験を順次行い、助成金を使用する予定である。
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