2017 Fiscal Year Research-status Report
突然死特有の「血液が固まらない」現象に着眼した、分子病態解明への挑戦
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17K19905
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長野 一也 大阪大学, 薬学研究科, 准教授 (40548301)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 突然死 / プロスタノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
「死んでもなお、血液が固まらない」という突然死の共通病態に着目し、突然死症例における血管の状態を理解するため、プロスタグランジン(PG)やトロンボキサン(TX)といった各種生理活性物質量を指標に解析を進めている(核出生理活性物質の血中半減期は短いため、尿中の最終代謝物量を比較する)。 本年度は、各種生理活性物質(PGD2、PGE2、PGF2α、PGI2、TXA2)の尿中最終代謝打つ(tetranor-PGDM(PGDM)、tetranor-PGEM(PGEM)、tetranor-PGFM(PGFM)、2,3-dinor-6-keto PGF1α(DKPGF1α)、2,3-dinor TXB2(DTXB2))の標品を尿に人為的に添加し、尿中からの固相抽出条件と、LC/MS/MSによるイオンサプレッションへの影響や分離・検出条件の確立を試みた。まず、最も汎用的なC18カラムを選択し、最適な洗浄/溶出条件をスクリーニングした。その結果、PGDM、PGEM、PGFMは、40%メタノールで溶出しきるのに対し、DKPGF1αとDTXB2は、70%メタノールで溶出しきることが明らかとなった。そこで、上記の条件で溶出した際のマトリクス効果を評価した結果、いずれの最終代謝物もマトリクス効果が認められたものの、PGDM, PGEM, PGFMでは10%程度と低く、内部標準(IS)を用いることで補正が可能であった。その一方で、DKPGF1αとDTXB2のマトリクス効果は、ほぼ100%と高く、ISを用いても測定が困難なことが予想された。そこで、イオン交換カラムに変更し、最適化したところ、マトリクス効果が大きく低減し、良好な回収率で精製することが可能となった。 以上の検討から、二段階固相抽出法を応用することで、尿中のPN最終代謝物全てを一連の操作で精製し、一斉に評価する基盤技術を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究実施計画を達成したうえ、尿中のPN最終代謝物全てを一連の操作で精製し、一斉に評価する新規基盤技術を構築したため。
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Strategy for Future Research Activity |
確立した分析系の有用性を評価するため、実際にラットに各種生理活性物質を頸静脈内投与し、尿中から最終代謝物の検出を試みる。また、生体内で内因的に変動する各種生理活性物質量を評価するため、既に尿中のPGEM量の増加が報告されているデキストラン硫酸誘発潰瘍性大腸炎モデルを用いて、尿中最終代謝物量を測定する。さらに、実際の尿試料からの定量比較分析を考慮し、各種生理活性物質の最終代謝物の尿中での安定性を検証する。これらの検討を進めながら、倫理申請を進め、健常者の尿と、突然死された検体から採取された尿を利用できる環境を整備する。
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Research Products
(1 results)