2019 Fiscal Year Annual Research Report
Challenge to elucidate molecular pathology of sudden death by focusing on the unique phenomenon that "blood does not clot"
Project/Area Number |
17K19905
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長野 一也 大阪大学, 薬学研究科, 准教授 (40548301)
|
Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
|
Keywords | 突然死 / プロスタノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
「死んでもなお、血液が固まらない」という突然死の共通病態に着目し、突然死における血管の状態を理解するため、プロスタグランジン(PG)やトロンボキサン(TX)といったプロスタノイド量に着目して解析を進めている(各種プロスタノイドの血中半減期は短いため、尿中の最終代謝物量を比較する)。 昨年度までに、二段階固相抽出法(逆相固相抽出カラムで精製後、イオン交換固相抽出カラムで連続精製)を応用することで、各種プロスタノイド(PGD2、PGE2、PGF2α、PGI2、TXA2)の尿中最終代謝物(PGDM、PGEM、PGFM、DKPGF1α、DTXB2)を一連の操作で精製し、一斉に評価する基盤技術を構築・最適化してきた。 そこで、本年度は、確率した手法の実用性を検証するにあたり、クローン病に着目した。クローン病は、代表的な炎症性腸疾患の一つである。また、これまでに、トリニトロベンゼンスルホン酸で誘発されるクローン病モデルラットの尿中PGEMレベルが上がるといった報告がなされている。したがって、実際に、ヒトのクローン病患者においても、PGE2を始めとするPN発現量が変動し、尿中PN代謝物のプロファイルが健常者と異なっていることが考えられた。そこで、健常者とクローン病患者の尿から、PN代謝物の網羅的な定量を試みた結果、健常者とクローン病それぞれ5例に対して、いずれの代謝物も全て定量できた。さらに、変動を解析すると、PGDM, PGFM, DKPGF1α, DTXB2では、健常者とクローン病患者群で、有意な変動は認められなかったのに対し、PGEMについては、モデルラットでの先行研究と同様に、健常者に比較して、クローン病患者群で、有意に高値を示した。したがって、我々が最適化した定量系は、内在的な尿中PN代謝物をも一斉に定量が可能であり、疾患の発症・悪化に伴う変動も、検出しうることが示された。
|
-
[Journal Article] Development and evaluation of a simultaneous and efficient quantification strategy for final prostanoid metabolites in urine2019
Author(s)
Tian-qi Zhang, Hirotaka Kuroda, Kazuya Nagano, Soshi Terada, Jian-Qing Gao, Kazuo Harada, Kazumasa Hirata, Hirofumi Tsujino, Kazuma Higashisaka, Hiroshi Matsumoto, Yasuo Tsutsumi
-
Journal Title
Prostaglandins, Leukotrienes and Essential Fatty Acids
Volume: 6
Pages: 102032
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
-