2018 Fiscal Year Annual Research Report
Screening of 'new generation' antioxidants and evaluation of their biological effects
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17K19909
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
真野 純一 山口大学, 大学研究推進機構, 教授 (50243100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井内 良仁 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (60272069)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 抗酸化能 / 食品 / 活性カルボニル / 親電子物質 / 解毒 / 植物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,細胞の酸化障害を防ぐ「第二の抗酸化物質」を発掘するチャレンジとして,過酸化物に由来する親電子アルデヒド(RES-al)を消去する物質を植物から探索し,精製,同定することをめざした。 RES-al消去能を評価するには,アクロレインと目的材料を混合し,アクロレインの減少速度から求める。アクロレインを定量する方法として,ジニトロフェニルヒドラジンによる誘導体化後にHPLCで分離定量する方法をすでに確立したが,本法は分析に長時間を要するため,アルデヒドと反応する蛍光プローブを用いる、アクロレインの分光学的定量法の開発を試みた。文献に基づき1,3-cyclohexanedione (CHD)および7-hydrazino-4-nitrobenzo-2,1,3-oxadiazole (NBD-H) を用いたアクロレイン定量を行ったが,いずれの試薬もアクロレインとの反応速度が遅く,目的とする簡便な定量法の確立には至らなかった。 植物材料からアクロレイン消去能をもつ物質を単離するため,まずさまざまな植物材料(食用のものに限った)58種からの抽出液のアクロレイン消去能を評価した。これらの抽出液は除タンパク処理しているため,測定結果はその植物に含まれる低分子化合物によるアクロレイン消去能と見なすことができる。評価の結果,数種類の食用植物(野菜)が新鮮重量あたりのアクロレイン消去能で高い値を示した。これ以外にも被子植物の広い系統にわたってアクロレイン消去能を示す種が分布していた。これは植物が多様なRES-al消去物質を有することを示唆している。本成果は論文執筆中である。 高いアクロレイン消去能を示した植物材料からアクロレイン消去物質の精製を試み,逆相フラッシュクロマトグラフィにより,きわめて親水性の高い画分に,熱に不安定なアクロレイン消去物質の存在を見出した。
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