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2017 Fiscal Year Research-status Report

運動-摂食-老化連関における視床下部のFGF23/αKlothoシステムの新機能

Research Project

Project/Area Number 17K19924
Research InstitutionWakayama Medical University

Principal Investigator

小森 忠祐  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90433359)

Project Period (FY) 2017-06-30 – 2019-03-31
Keywords視床下部 / αKlotho / FGF23 / 摂食調節 / 絶食
Outline of Annual Research Achievements

絶食48時間後の血中、及び視床下部において、線維芽細胞増殖因子(fibroblast growth factor; FGF)23蛋白の発現が増加していた。FGF23は、骨や骨格筋において発現していることが報告されているため、それらの組織における絶食によるFGF23の発現変化を検討した。しかし、絶食48時間後の骨や骨格筋において、FGF23の遺伝子発現の増加は認められなかった。また、中枢神経系では視床においてFGF23の発現が認められるとの報告もあるため、視床におけるFGF23の遺伝子発現変化を検討したが、絶食による発現増加は認められなかった。今後は、絶食により遺伝子発現が変化する代謝系の他の臓器(肝臓、膵臓、脂肪など)における発現の検討が必要である。
視床下部におけるFGF23の作用を検討するために、FGF23を脳室内投与し、摂食量の検討を行った。FGF23の受容体は、αKlothoとFGF受容体の共受容体であることが知られている。我々の以前の研究で、絶食48時間後に視床下部におけるαKlothoの発現が増加することより、FGF23の投与は絶食48時間後のマウスに行った。FGF23を脳室内投与し1時間後に摂食量を2時間測定したところ、FGF23投与群において、摂食量の増加が認められた。また、摂食促進作用を有するニューロペプチドY(NPY)やアグーチ関連蛋白(AgRP)の視床下部における発現変化を検討したところ、FGF23の脳室内投与により、NPYやAgRPの発現増加が認められた。しかし、摂食抑制作用を有するα-メラノサイト刺激ホルモン(α-MSH)をコードする遺伝子であるプロオピオメラノコルチン(POMC)の発現に変化は認められなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度の研究により、絶食時の血中のFGF23の増加は、骨や骨格筋などの主要なFGF23産生臓器における遺伝子発現の増加ではないことが明らかとなった。本年度の研究計画中では、培養細胞を用いたFGF23の視床下部神経細胞に対する作用の検討が残っており、次年度に遂行する予定である。しかし、本年度、FGF23の脳室内投与により摂食量が増加することを見出し、NPYやAgRPなどの摂食促進ニューロペプチドの発現増加も認められた。この結果は、視床下部におけるFGF23/αKlothoシステムの機能を解明する本研究計画において、非常に有意義な結果である。よって、本年度の研究はおおむね順調に進展していると言える。

Strategy for Future Research Activity

(1)視床下部神経細胞においてFGF23がどのような遺伝子の発現を制御しているのかを検討するために、視床下部神経細胞株であるGT1-7細胞をFGF23で刺激して誘導される遺伝子をcDNAマイクロアレイにより網羅的に解析する。GT1-7細胞にαKlothoの発現が弱く、シグナルが入りにくい場合は、in vivoにおいてFGF23を脳室内投与した時の視床下部における遺伝子発現の変化を検討する。
(2)運動負荷時に視床下部FGF23/αKlothoシステムがどのような機能を有するのかを検討する。FGF23、及びαKlothoの発現を低下させた状態において、体重や摂食量、基礎代謝量(VO2)、体温、全身の糖・脂質代謝、サーチュイン遺伝子の発現量などを検討する。
(3)絶食時の視床下部におけるFGF23の機能解析
3-1) 絶食時のマウスの側脳室にFGF23を投与し、αKlotho陽性細胞におけるシグナルの活性化を検討する。FGF23による細胞内シグナルの活性化の検出にはFRS2αやERKのリン酸化、及びEgr1の発現増加が用いられているため、それらに対する抗体とαKlothoに対する抗体の二重免疫染色法により検討する。
3-2) FGF23を投与した時の、基礎代謝量(VO2)、体温、全身の糖・脂質代謝に関連したパラメーターを解析する。
3-3)αKlothoヘテロ欠損マウスの自由摂食下と絶食条件において、基礎代謝量(VO2)、体温、全身の糖・脂質代謝に関連したパラメーターを解析する。

Causes of Carryover

本年度、αKlotho遺伝子欠損マウスを用いて、αKlothoの体温や基礎代謝に対する役割を検討する予定であったが、αKlothoKOマウスが受注生産のため、納品が間に合わなかった。これらの実験については次年度行う予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2018

All Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Functional roles of FGF23-αKlotho axis in the regulation of food intake during fasting.2018

    • Author(s)
      Komori T, Morikawa Y.
    • Organizer
      A Keystone Symposium [Organ Crosstalk in Obesity and NAFLD]
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 絶食時の視床下部摂食調節機構におけるFGF23/αKlotho系の機能2018

    • Author(s)
      小森忠祐、森川吉博
    • Organizer
      第123回日本解剖学会総会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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