2017 Fiscal Year Research-status Report
周期的伸展刺激装置を用いた慢性腎疾患の新しいin vitroモデルの研究
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17K19925
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
入江 康至 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (70303948)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 伸展培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
岡山県立大学において、ウシ糸球体内皮細胞由来の培養細胞株GEN-Tをシリコン製チャンバーに播種し、培養細胞伸展システム http://www.strex.co.jp/products.html を用いて機械的伸展刺激を加える系を構築した。 本システムは申請者の所属していた岩手医科大学の研究室で既に稼働中のものであり、チャンバーのコーティングや機械の温度管理などについて最適化がなされている。今回、岡山県立大学で購入した培養細胞伸展システムは、同じメーカーではあるが改良、更新されたモデルであり、特にシリコンチャンバーの処理システムが異なるため、現在以前のデータの再現実験を行っている。具体的には、伸展培養による細胞およびチャンバーにコートしたコラーゲン膜の形態について検討を行い、伸展培養の要件を再設定した。その後、伸展刺激により発現誘導された12の遺伝子群についてタイムコース解析、各種メカノセンサーの阻害薬による解析を行い、データの再現性について検討を行っている。 一方、糸球体高血圧モデルである伸展刺激を受けたGEN-T細胞が何らかの液性因子を放出して、遠隔臓器の内皮機能を傷害する可能性の検討については、最近の研究の動向から、GEN-T細胞由来のエクソソームが関与する可能性が浮上してきた。エクソソーム解析は当初計画には含まれていなかったが、必要と考えられるので伸展培養条件の確認後は早期に行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
培養細胞伸展システムの導入にあたって、設置スペースを確保するために予想以上に時間がかかった。また、機器がバージョンアップされていたことや、岩手と岡山の気候の違いによる冷却効率の違いにより、実験条件を再設定する必要が生じた。このような理由から計画はやや遅滞しているが、本質的な問題を抱えているわけではないので、今後は計画通りに研究を進めることができると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
糸球体高血圧モデルである伸展刺激を受けたGEN-T細胞が何らかの液性因子を放出して、遠隔臓器の内皮機能を傷害する可能性の検討については、最近の研究の動向から、GEN-T細胞由来のエクソソームが関与する可能性が浮上してきた。 このため、当初計画されていた実験以外に以下のような研究を行う予定である。 伸展刺激を受けたGEN-T細胞と刺激を受けていない同細胞の上清からエクソソーム画分を精製し、ここに含まれるRNAを網羅的に比較解析する。同様に、CKDモデル動物の血液中のエクソソーム画分についても対象動物のものと比較解析する。細胞とモデル動物で共通する因子についてさらに解析を行う。
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Causes of Carryover |
培養細胞伸展システムの導入にあたって、設置スペースを確保するために予想以上に時間がかかった。また、機器がバージョンアップされていたことや、岩手と岡山の気候の違いによる冷却効率の違いにより、実験条件を再設定する必要が生じたため研究計画がやや遅滞した。
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Research Products
(5 results)