2018 Fiscal Year Research-status Report
気管いびき音モニターによる小児の睡眠呼吸障害スクリーニング法の開発と検証
Project/Area Number |
17K19928
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
谷川 武 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80227214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 博 独立行政法人国立病院機構福岡病院(臨床研究部), その他部局等, 臨床研究部長 (90450949)
若槻 雅敏 独立行政法人国立病院機構福岡病院(臨床研究部), その他部局等, 医師 (50796050)
池田 勝久 順天堂大学, 医学部, 教授 (70159614)
井下 綾子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00514762)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 睡眠呼吸障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、本人も家族も気づかない睡眠呼吸障害が原因で起こる衝動性、注意力不足、学習障害、発育不良、夜尿症等の症状を呈する小児の睡眠呼吸障害を発見・治療することにより、心身の健康を取り戻し、親子関係を明るいものに変え、学校教育における指導上の困難を軽減することで、それらの小児と家族が生き生きと生活ができる明るい未来と幸せの実現を目指す。 本目的のため、小児への負担を軽減した精度の高い睡眠呼吸障害判定検査機器(気管いびき音モニター)を準備し、本研究では、小児の集団レベルでの睡眠呼吸障害の有病率を明らかにし、見過ごされている睡眠呼吸障害に対して適切な治療を進めることで、これまで世界的に把握できていなかった一般集団(保育所、幼稚園、小学校)における小児の睡眠呼吸障害の実態を解明し、睡眠呼吸障害が原因で起こる健康障害、学習障害、問題行動等を改善することを目標とする。 治療を要するにもかかわらず見過ごされている小児の睡眠呼吸障害が早期発見・治療へとつながり、睡眠呼吸障害に起因する学習障害や問題行動が改善することで、それらの子ども達と家族をはじめ周囲の人々の未来が好転すると確信する。 そこで、簡易に睡眠呼吸障害を検出する機器を作成・準備した。某小学校小学1年生と2年生全員を対象に本機器および質問票を用いて睡眠呼吸障害を検出し、近隣の医療機関へ受診勧奨を行う体制を構築した。平成30年度中には、82名の小学生が登録され、これまでの調査結果を集計し、フィードバックを行っている。また、現在、順天堂学耳鼻科をはじめとする専門医療機関にて診察を受けるように勧奨中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度までに、研究倫理審査を受け承認を得た。また、小児の睡眠呼吸障害を検出する機器を準備し、予備的測定を行った。以上の経過より小児の家庭で行うに際しての問題点の抽出と対応手法を策定した。その際、安全かつ精確な機器の使用と測定を目的として説明文書を作成した。また、対象となる小学校と協力関係を構築し、教員および保護者に対して本調査に関する情報提供を行った。 某小学校小学1年生と2年生全員を対象に本機器および質問票を用いて睡眠呼吸障害を検出した。平成30年度中には、82名の小学生が登録され、これまでの調査結果を集計した。現在、フィードバックを行っている。また、現在、順天堂学耳鼻科をはじめとする専門医療機関にて診察を受けるように勧奨中で、必要に応じて、PSG検査等の精密検査を実施し、適切な治療を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
要精密検査と判定された小児については、順天堂学耳鼻科をはじめとする専門医療機関にて診察を受けるように勧奨し、PSG検査等の精密検査を実施する予定である。睡眠呼吸障害を有する患児は、扁桃切除やアレルギー性鼻炎などの抗アレルギー薬投与、持続的気道陽圧換気療法(CPAP)など適切な治療を行う予定である。さらに、治療後にSDBとADHD様の行動障害について、再評価を行う。 本調査の結果から一般集団における小児のSDBの有病率、SDBとADHD様の行動障害との関連を分析する。また、SDBおよび行動障害とが、上記の治療により改善するかどうかを明らかにする予定である。 また、症例数を確保するため、別のフィールドについても同様の調査を行うことが可能かどうか検討中である
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Causes of Carryover |
申請研究は、機器の準備と参加者での測定実施、そして、追跡調査という構成からなる研究です。参加者募集を2018年度末(2019年3月)まで行っていたため、追跡調査は2019年10月~2020年3月頃まで要する見通しです。また、症例数を増やす目的で、同内容の調査を施行する新しいフィールドの検討も行っております。
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