2018 Fiscal Year Research-status Report
低分子抗酸化物による新規血糖コントロール制御評価法の開発
Project/Area Number |
17K19939
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Research Institution | Mimasaka University |
Principal Investigator |
渡辺 理江 美作大学, 生活科学部, 准教授 (70452349)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 栄養学 / 低分子抗酸化物 / 血糖コントロール |
Outline of Annual Research Achievements |
食品中の機能的な有効成分の中には、食後血糖値上昇抑制作用および抗酸化作用を両方有すものが非常に多い。しかしながら、食品有効成分が初めに作用する腸管組織に対する食後血糖値上昇抑制作用および抗酸化作用の分子レベルでの関連性や詳細な作用分子メカニズムはほとんど不明なままである。本研究では、食品由来の低分子抗酸化物およびその関連分子を介した腸管組織における食後血糖値応答反応を明らかにすることにより、食後血糖値上昇抑制作用および抗酸化作用の両方をもつ食品有効成分を介した生体内での血糖コントロール制御機構を明らかにする。平成30年度は、【I】低分子抗酸化物の経口摂取時の各組織に対する影響を検討するべく、低分子抗酸化物としてチオレドキシン-1 およびその関連分子に着目し、それらの含有食品として紫キャベツを用い、実験動物に対して長期食餌負荷実験を行った。耐糖能・血糖コントロールを解析し、また、膵臓、肝臓、腸管の組織形態や細胞数・細胞面積の変化を組織染色にて解析評価した。また、免疫染色法にてマーカー分子の発現状態を解析した。【II】低分子抗酸化物の経口摂取時の腸管上皮細胞の細胞分化バランス評価を行うべく、分化・未分化細胞の細胞数・細胞面積を測定した。免疫染色法にて、腸管分化マーカーの発現を解析した。また、分泌細胞に関しては分泌部分の開口状態を解析評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初設定した2つの課題それぞれにおいて、目標に向けて順調に研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の項目について研究を推進する。 引き続き、① 細胞分化状態・比率の評価(細胞分化バランス評価)とスクリーニングによる関連分子の同定を行う。② 培養細胞や実験動物を用い、低分子抗酸化物による血糖コントロール制御機構を解析する。③腸管分化マーカーの発現プロファイルをタンパク質・mRNAレベルで解析し、腸管の細胞分化バランスに関係する分子を同定する。同定された標的遺伝子に対する作用分子・転写因子と低分子抗酸化物との相互作用や関連性を明らかにする。同時に、関連する腸管分泌分子の分泌変化を明らかにする。
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Causes of Carryover |
〇次年度使用額が生じた理由:消耗品費、および外注解析費を予定より安価で済ませることが出来たり、高度な解析機器に関しても当初は他大学にて有料使用する予定であったが、一部高度画像解析機器(キーエンス・オールインワン顕微鏡)を私立大学等研究設備整備費補助金により本学に導入して頂いたおかげで、経費および作業時間が大幅に軽減され次年度使用額が生じた。一部、小型簡易実験器具に関しては、現在、他研究室で借用させてもらっており、消耗品費の未使用分が多めになっている。 〇使用計画:小型簡易実験器具に関しては、安売りキャンペーンが始まり次第、導入する予定である。一部の高度解析機器が本学に導入されたため、より質の高い研究成果を速やかに報告するための物品購入(研究消耗品の増量、高度画像解析ソフトの購入、技術補佐員の増員、成果報告の増加など)を計画している。
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Research Products
(2 results)