2020 Fiscal Year Research-status Report
低分子抗酸化物による新規血糖コントロール制御評価法の開発
Project/Area Number |
17K19939
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Research Institution | Mimasaka University |
Principal Investigator |
渡辺 理江 美作大学, 生活科学部, 准教授 (70452349)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | チオレドキシン / 血糖コントロール / 栄養学 / 低分子抗酸化物 |
Outline of Annual Research Achievements |
食品中の機能的な有効成分の中には、食後血糖値上昇抑制作用および抗酸化作用を両方有すものが非常に多い。しかしながら、食品有効成分が初めに作用する腸管組織に対する食後血糖値上昇抑制作用および抗酸化作用の分子レベルでの関連性や詳細な作用分子メカニズムはほとんど不明なままである。本研究では、食品由来の低分子抗酸化物およびその関連分子を介した腸管組織における食後血糖値応答反応を明らかにすることにより、食後血糖値上昇抑制作用および抗酸化作用の両方をもつ食品有効成分を介した生体内での血糖コントロール制御機構を明らかにする。 2019年度に引き続き、2020年度は、 【I】 低分子抗酸化物の経口摂取時の各組織に対する影響を検討するべく、低分子抗酸化物としてチオレドキシン-1 およびその関連分子に着目し、それら含有食餌を作製し、マウス(C57BL/6NJcl)に対して長期食餌負荷実験を実施し、OGTT・HbA1c値などの測定や膵島組織像などの評価を行った。その結果、耐糖能には大きな変化は認められなかったが、血糖コントロールの低下傾向が認められた。 【II】 また、腸管の組織形態や細胞数の変化を解析した結果、杯細胞の細胞数の増加および面積の増大が検出された。 【III】さらに、低分子抗酸化物による血糖コントロール制御に関与すると推測される生体内制御マーカー候補を選定し、継続解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響による研究活動(物資、研究室利用状況、人材、投稿論文雑誌からのレスポンス遅延など)の制限により、現在も何とか急ピッチで研究を進めているものの、当初の予定より研究進捗状況はやや遅れている。 特に、当初設定した3つの課題のうち、研究実績の概要【III】において、目標に向けて研究がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究最終年度となるため、以下の項目について遅れている部分の研究を推進する。 ① 培養細胞や実験動物を用い、低分子抗酸化物による血糖コントロール制御機構を解析する。②低分子抗酸化物の影響による細胞分化状態・比率の評価(細胞分化バランス評価)・スクリーニングによる関連分子の同定を行う。さらに腸管の細胞分化バランスに関係する分子群を同定する。③本研究成果に関する複数の論文執筆・修正・投稿、学会報告等の情報発信を継続して行う。
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Causes of Carryover |
2020年度は、世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響による研究活動(物資、研究室利用状況、人材、投稿論文雑誌からのレスポンス遅延など)の制限により、当初の予定より研究進捗状況はやや遅れてしまい次年度使用額が生じた。現在も何とか急ピッチで研究を進めており、論文執筆/修正/投稿、学会報告等の情報発信を継続して行う予定である。
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Research Products
(4 results)