2020 Fiscal Year Annual Research Report
Practical deta-intensive approaches to materials sciences
Project/Area Number |
17K19953
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
瀧川 一学 北海道大学, 化学反応創成研究拠点, 特任准教授 (10374597)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2021-03-31
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Keywords | 機械学習 / データ駆動科学 / データマイニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題の研究協力者である北海道大学触媒科学研究所のグループとの密な連携を通して、特に工業的な化学合成・自動車の排ガス浄化・メタン転換など化学産業の主対象の一つである不均一系触媒の設計に関して機械学習を活用するデータ駆動型アプローチの実践研究および展開研究を行った。 最終年度は前年度に確立した文献報告された実験データからの収率予測のアプローチをさらに検討・改善し、特に構成元素の種類ではなく元素記述子を反映する入力表現法とその機械学習に基づく逐次モデルベース最適化アルゴリズムの研究を行った。また、メタンの酸化カップリング反応に関する触媒の文献データについては従来研究で構築された2010年度までの1868レコードを、2019年度までの4759レコードに拡充し、近年の触媒科学の傾向も反映したデータを構築するとともに、それに対して機械学習に基づく解析を行い、論文投稿を行った。新たな解析ではデータ自体の傾向を詳細に分析するとともに、特に、機械学習モデルに基づく逐次モデルベース最適化の枠組みで期待改善度の高い触媒候補の組成や特性の分析を行い、高い期待改善度を持つ触媒候補に関して決定木アンサンブルに基づくSHAP法を用いたローカルな説明、および、変数重要度についてのグローバルな説明のパーミュテーション重要度との差異の分析、および予測面の分析やPDP図による解析を行った。 本研究課題の目的は、現在までに得られたデータに基づいて合理的、効率的、かつ、 網羅的に候補物質を絞り込むデータ駆動型の帰納的な探索技術の確立を目指すことであった。研究期間を通じて、実際の触媒科学研究者と協働し、文献報告を含む実験データ、モデルを用いた計算シミュレーションデータなど、多様なデータを活用する触媒科学研究の基盤を確立し論文化することができ、さらに実際の触媒研究で活用していく実践研究へも道筋をつけることができた。
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