2018 Fiscal Year Research-status Report
精度の自動調整機能を備えるApproximate Computing基盤
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17K19971
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
津邑 公暁 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00335233)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 計算再利用 / Approximate Computing / 近似計算 / 畳み込みニューラルネットワーク / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は主として,CNN計算における計算再利用とApproximate Computingの親和性・有効性について調査し,CNN計算を高速化する手法を検討した.近年では,CNNが学習や推論に要する計算量の増大が問題となっており,この計算量を削減するための研究が盛んに行われている.しかし,計算量を削減する方法によっては,CNNの認識精度が大きく低下する場合も存在し,CNNの認識精度の低下を抑えつつ,計算量を削減する事が課題となっている.そこで,学習のための計算量削減に向けたカーネルテンプレート化と,推論のための計算量削減に向けた計算再利用の活用について検討した.評価の結果,カーネルテンプレート化により,認識精度を損うことなく,学習対象となるパラメタ数を大きく削減できることを確認した.また,CNN計算における乗算については,繰り返し出現する乗数・被乗数の組合せが数多く存在することを確認し,計算再利用がCNN計算に対して高い親和性を持つことが確認できた.更に,カーネルテンプレート化の適用により,より多くの乗数・被乗数の組合せが繰り返し出現することが確認でき,計算再利用の効果が更に大きくなることが予測できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計算再利用に基づくApproximate Computingの計算基盤は確立しつつあり,また予定していた応用アプリケーションの詳細な解析についても,CNNを中心に予定通り達成できているが,計算近似度を自動調整する機能の実装にやや遅れが生じている。CNNの場合,仮数部の多くの部分を無視しても精度に重大な低下がみられないことや,処理部分によって必要な近似度に大きな違いがないため,近似計算自体の有用性は大きいものの,細かい処理単位での精度調整が重要ではないことが原因のひとつとして挙げられる。よってより広い範囲のアプリケーションに対して,解析を進める必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
進捗状況の欄でも述べたように,より広範囲のアプリケーションに対する詳細な解析を進め,入力近似度が出力誤差に与える影響の調査を積み重ねる必要がある。そのうえで,近似度の自動調整機能の有用性を確認しつつ,実装の詳細について検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画の遅れに伴い,会議発表や論文掲載にかかる経費が当初予定よりも少額となった。次年度予算にてこれらにかかる費用を支出する予定である。
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Research Products
(15 results)