2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of feeling of material and operation induced by expectation and its application to artifacts design
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17K19976
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 裕一 京都大学, 学術情報メディアセンター, 教授 (40227947)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 質感・操作感 / 予測・期待 / 筋活動 / 反射 / 力覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,操作の対象として仮想力覚呈示デバイスを用いることによって種々の操作目的や様々な負荷を仮想的に与えながら,目的・意図や期待・予測と反応としての筋活動や感じる質感との関係を調査し,それを基に人工物の「質感や操作感」の設計を行うための知見を得ることを目的とする.そのために,以下の2つの面からアプローチしてきた. (1) 押す,支える,触る等,機械を操作する人間の動作の目的や,さらにその動作を行う際の心的状態,例えば,自信を持って操作している,戸惑っている,あわてて修正している等を認識するためのセンシング手法に取り組んだ.その方法として,主動筋と協働筋の協調状態,主動筋と拮抗筋の拮抗状態等,筋の賦活の大きさやその相関解析,より詳細なコヒーレンス解析などを行った.伸張反射や反回抑制などの生理学モデルに当てはめ,典型的な現象が計測データから捉えられることを確認してきた.これらを精度良く認識することが今後の課題となっている. (2) 筋活動の計測(1)によって意図や期待を推定し,それに応じて力覚などの外部刺激を変化させることによって質感や操作感を変容させる実験に取り組んできた.筋電位の計測・認識結果によって力覚デバイスの出力,視覚表示を変化させ,受ける感覚やその結果現れる筋活動を観測する実験設計を行い,予備的な実験を行った.質感・操作感の種々の変容が観測されることがわかってきたが,システマティックな実験を行うこと,運動生理学などと関係づけながらモデル化することなどが今後の課題となっている. 以上のように,萌芽的な課題として,基礎的な検討や応用の可能性を示すことができてきたが,具体的な実現方法に関しては今後の課題となっており,継続的な研究によって明らかにしていく予定である.
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