2020 Fiscal Year Research-status Report
The functional significance of the mirror neuron system in athletes during execution of synchronized sports movements
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17K20017
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
正木 宏明 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (80277798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 哲都 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (80723668)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | ミラーニューロン / 同調動作 / ボート競技 / φ帯域 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、実験参加者および実験従事者の安全確保を最大限考慮し、新規実験の実施を断念した。一方で、既得データの論文化に注力した。ボート競技(ダブルスカル)のペア選手から同時記録した脳波について、φ1(10-12 Hz)およびφ2(12-13 Hz)帯域の活動を詳細に分析した結果、普段からペアを組んでいる選手同士では、相手の手首屈曲・進展動作に同調させた際のφ2パワ値と、パースペクティブ・テイキング(perspective taking)得点(他者の視点に立脚して他者の行動を理解する能力)との間に、中程度の負の相関を認めた(中心頭頂部:r=-0.52, p=0.04)。φ帯域の活動はパワ値の左右差を算出して観察するため、運動と同側の右半球のパワ値が左半球のそれよりも高値になった場合にはφは負値を示す。φ1パワ値についてはパースペクティブ・テイキング得点との間に中程度の正の相関を認めた(中心頭頂部:r=0.53, p=0.03)。φ1とφ2は相反した振る舞いを示すことが報告されているが、いずれもミラーニューロンシステムの活動を反映していると考えられている。したがって、本研究の結果は、相手の動作に同調させようとする際には、ミラーニューロンシステムを賦活させて、同期性を高めることを示唆している。本研究結果はScientific Reports誌で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡大によって、2020年度の研究計画通りに進めることができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度も新型コロナウイルスの感染拡大状況が予測できないものの、所属研究機関の研究に係る方針に則り、可能な範囲で新規データを取得したい。既得のデータについては最終的な解析を終え、論文による公開を急ぐ。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、研究計画に変更が生じ、新規データ取得ができなかった。新規実験の参加者への謝礼や論文のオープンアクセス化等に助成金を充てる。
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