2017 Fiscal Year Research-status Report
Slave type micro hand robot for palpation beyond the ability for the human sense
Project/Area Number |
17K20018
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小西 聡 立命館大学, 理工学部, 教授 (50288627)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | マイクロマシン / バーチャルリアリティー / 知能ロボティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「人の感覚能力を超えて触診するスレーブ型マイクロハンドロボット」の研究開発に取り組んでいる。高い性能をもつセンサを搭載した小さな指で生体を触診できれば、手による触診では体験したことのない生体情報を得て診断を考えることができる。 本研究では、1)人の指感覚よりも高い性能をもつマイクロデバイスの導入、2)人の指感覚にないマイクロデバイスの導入、3)人の手がアプローチできない対象への触診への応用、に着目している。マイクロハンド本体、各種マイクロデバイス、実装技術、触診信号の処理に関する研究を重点推進している。特に、マイクロハンドに搭載するデバイスとして、触覚センサや温度センサなどによる指感覚よりも高い性能をもつデバイスに加え、生化学センサなどの指感覚にない機能をもつデバイスの導入に取り組んだ。触覚センサとしては、液体金属や薄膜を用いた歪センサの検討を実施した。温度センサについは、既製のセンサの導入に加え、熱電対の設計、製作にも着手した。さらに、生化学センサとしては、pHセンサの研究開発に取り組んだ。 実現するマイクロハンドをスレーブ型ロボットとして生体を触診することができれば、医師が自らの手による従来の触診では体験したことのない生体情報を得て診断を考えられる。マイクロハンドロボットは、人の手が入り込めない空間にも進入できるため、触診することを想像したこともない部位にアプローチすることもできる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、「人の感覚能力を超えて触診するスレーブ型マイクロハンドロボット」の研究開発に取り組んでいる。特にマイクロハンドへの以下のデバイスの一体化を目指している。 ①指感覚よりも高い性能をもつデバイス:触覚センサ、温度センサ、等 ②指感覚にない機能をもつデバイス:電気生理計測センサ、生化学センサ、等 平成29年度は、マイクロハンド本体、各種マイクロデバイスの内容に研究の重心を置き、マイクロハンド本体の設計構成は、触診機能の選定結果、進捗状況に基づいて実施した。触覚センサとしては、液体金属や薄膜を用いた歪センサの検討を実施した。シリコンラバー製の柔軟なマイクロハンドの特性を損なわないように、柔軟な歪センサが求められる。また圧力駆動のマイクロハンドは、流路を用いて圧力供給を行うため、流路構造を集積化することは容易である。そこで、マイクロハンドに歪センサ用の流路を増設し、液体金属を注入することにより歪センサを実現した。温度センサについは、まず既製のサーミスタタイプの温度センサの集積化を実施した。マイクロハンドの指にサイズに合わせ、数ミリ角サイズの温度センサを指構造に埋め込み、薄膜金属配線を施すことにより、極力指の柔軟性を損なわないようにした。さらに、独自に集積化が可能なセンサの開発にも取り組んだ。熱電対タイプのセンサを指構造表面に形成することに成功した。 生化学センサとしては、pHセンサの研究開発に取り組んだ。TaO2を用いたpHセンサを実現し、指構造への集積化を進めている。 マイクロハンドについては、指に集積化するセンサ等のデバイスからの要求仕様に応じて設計を進めており、歪センサ、温度センサについては集積化に成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、準備した実装技術、触診信号の処理の研究内容に重心を移し、マイクロハンドロボットの構築に取り組む。引き続き、進捗が早い触覚センサや温度センサに加え、生化学センサについても研究開発を加速する。さらには、新機能マイクロデバイスの研究にも挑戦する。将来的には、マスタースレーブシステムを構築することを念頭に、本研究では挑戦的要素の強い項目に重点的に取り組み、マスター部を加えたシステム化を含めた次のフェーズへの移行の基礎固めを行う。以上により、人の感覚能力を超えて触診するスレーブ型マイクロハンドロボットを実現し、当該分野のアンメットニーズを刺激し、さらには低侵襲医療に貢献する成果を提示することを目指す。
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Research Products
(2 results)