2018 Fiscal Year Annual Research Report
Bio-imaging without targets
Project/Area Number |
17K20031
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡 浩太郎 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (10276412)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 生体生命情報学 / 生物物理 / バイオインフォマティクス / 人工知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
ハイパースペクトルカメラと様々なイメージング技術を併用して、無染色の様々な生物標本から有用な情報を検出することを試みてきた。本年は特に無染色脳標本にこの技術を適用することにより、脳地図作成を再現性良くかつ簡便に行うことが可能であるかについて集中して検討を進め、大きく進展させることができた。 ハイパースペクトルカメラを用いて、マウスおよびキンカチョウの無染色脳切片の透過光から、透過率スペクトルを取得した。ハイパースペクトルカメラは100以上に分光してスペクトルを取得でき、無染色脳切片から構造検出を行うための大規模データが得られる。また、この撮影は他の無染色手法と比較して高速であり(0.01 ms/pixel)、1000×1000 pixel画像を約10秒で取得できる。一方、ハイパースペクトルイメージングでは数百万pixel分のスペクトル解析が必要であり、そのデータ量は膨大である。 そこでフェーザ解析を透過率スペクトルに適用した。この手法は、多重蛍光染色におけるスペクトル分離などにおいて、その有用性が示されている。これによりハイパースペクトルイメージにおける1 pixelが保持する透過率スペクトルを、その全波長帯域のスペクトル形状に基づいて、フェーザ平面上の一点に変換できる。 無染色脳切片のハイパースペクトルイメージを取得し、それらを構成する全ての透過率スペクトルをフェーザ平面状にマッピングした。これにより解析するデータ量を60分の1以下に圧縮できた。その分布に対し混合ガウシアンモデルのフィッティングをし、フェーザ平面状に強度分布を作成後、脳切片を再画像化した。この画像は、脳切片の組成の差異を検出していた。統一規格のガウシアンモデルを、マウスおよびキンカチョウの脳切片全体を構成する約1億個の透過率スペクトル群に対して適用することで、脳切片全体のイメージングに成功した。
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Research Products
(4 results)