2019 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of Metal Nanoparticles on Gut Microbiome and Immune System using Medaka
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17K20047
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
柏田 祥策 東洋大学, 生命科学部, 教授 (20370265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮西 伸光 東洋大学, 食環境科学部, 教授 (80372720)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | ナノ毒性 / 銀ナノ粒子 / 二酸化チタン / メダカ / 免疫毒性 / 腸内細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,重金属などによる化学汚染が環境生物の免疫機能を低下させて生物個体数の減少を招く可能性が指摘された。そこで本研究の目的は,高い抗菌活性/酸化活性をもつ銀ナノ粒子(SNC)および二酸化チタンナノ粒子(TiO2-NP)を用いて,環境指標生物であるメダカの腸内共生細菌叢および免疫機能に与える影響を,synbioticsへの影響も含めて明らかにすることである。 SNCをメダカ受精卵,孵化仔魚および成魚に曝露してメダカの免疫関連遺伝子発現に与える曝露影響を評価した結果,メダカ受精卵,孵化仔魚および成魚に対するSNC曝露は,それぞれの成長段階におけるメダカの免疫関連遺伝子の発現には,成長段階毎に異なる亢進と抑制が確認された。魚病細菌に対する抵抗性に与えるSNCの影響を評価した結果,SNCは初期生活段階(受精卵および孵化仔魚)のメダカよりも,成魚のメダカに対してより顕著な免疫毒性を呈し,感染による死亡率を増大させることを明らかにした。一方でTiO2-NP曝露群では,免疫関連遺伝子の発現が有意に亢進されたが、感染実験においても有意な影響を与えなかった。SNCあるいはTiO2-NPの曝露によって表皮および腸内細菌叢のα多様性はコントロールに対してSNC曝露により減少傾向を示した。一方、TiO2-NP曝露により増加傾向を示した。さらにSNC曝露では腸内の短鎖脂肪酸が減少することが明らかになった。さらにコントロールに対してSNCあるいはTiO2-NPの曝露によって中性糖鎖および酸性糖鎖のピーク数が増加したため,糖鎖の崩壊あるいは減少といった何らかの異常をきたしている可能性が示唆された。また検出されたSNCおよびTiO2 NPsの90%以上が消化管(腸)に蓄積していたことから、金属ナノ粒子は腸内細菌叢に影響を与えて、免疫低下を誘導したと考えられた。
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Research Products
(1 results)