2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a process for the removal and condensation of cesium from radiation contaminated soil
Project/Area Number |
17K20058
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉岡 敏明 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (30241532)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | セシウム / 脱着 / テトラフェニルホウ酸ナトリウム / イオン会合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
東日本大震災時に発生した原発事故により放出された137Csが土壌に付着することにより膨大な量の汚染土壌が発生したが、その減容化は非常に重要な課題である。本研究は土壌からCsを脱着し、イオン会合体相として濃縮させる手法を開発する、汚染土壌減容化に大きな意義のある研究である。さらに、Cs脱着において錯形成物質による土壌からのCs脱着機構を明らかにし、実用化を見据えて土壌を構成する鉱物種差異等種々の影響を考慮したプロセス開発である。 平成29年度は土壌に強く吸着されたCsを錯形成物質により脱着する手法の開発および脱着反応機構の解明を行った。土壌中に含まれる鉱物種の中でもアルミノケイ酸塩鉱物としてCs吸着能が高いことが知られているモルデナイト、A型ゼオライトを選択し実験を行った。これらの鉱物のCs吸着能を検討した後、イオン会合体試薬(テトラフェニルほう酸ナトリウム:NaTPB、テトラキス(4-フルオロフェニル)ほう酸ナトリウム:NaTFPB)を用いてCs吸着鉱物からのCs脱着実験を行った結果、脱着可能であることが示唆された。また、Cs脱着反応式や反応機構についての知見を得た。 平成30年度はCsを鉱物から脱着した後、水相のCs捕捉およびイオン会合体相へ濃縮する手法について検討した。具体的には、相分離手法の探索や、イオン会合体(PFOA-PA+)の代替イオンの探索およびCs-TPBのイオン会合体相への濃縮について検討した。 令和元年度は本技術の実用化を見据え、土壌、植物、焼却飛灰由来の放射性Cs含有排水を作製し、Cs+捕捉およびイオン会合体相への濃縮について検討した。土壌由来の放射性Cs含有排水の作製においては、Cs吸着ゼオライトからのNaCl、KCl水溶液による水相へのCs脱着についても検討を行った。
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Research Products
(3 results)