2017 Fiscal Year Research-status Report
磁性カーボンナノチューブを用いた革新的セラノスティクスシステムの開発
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17K20080
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西條 芳文 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00292277)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | セラノスティクス / カーボンナノチューブ / 光音響イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、従来のセラノスティクスの限界を打破すべく、診断としては超音波よりも高分解能な光音響イメージングを用いて組織内の磁性カーボンナノチューブ (Magnetic carbon nanotube: M-CNT) の分布を細胞レベルで可視化し、治療としてはM-CNTの高周波誘導加熱により光が到達しない深部での温度上昇を可能にし、さらに磁場によって構造が変化したM-CNTの光吸収スペクトルの変化を検出することで、治療効果をモニタリングするという画期的なセラノスティクス手法を開発する。 12 gのポリエチレングリコール(PEG)-400溶液に12 mgの(6,5)単層カーボンナノチューブ粒子を加え、2時間の超音波処理を施し溶解した。また、CNTにmaghemiteを添加することで磁性を持たせることに成功した。 光音響効果を確認するために、カーボンナノチューブ溶液を直径1 mmのビニル管に封入し、吸光度を計測するとともに、700~1000 nm波長可変レーザを用いた光音響イメージングシステムで光音響信号を各波長において取得することで、CNTの光音響スペクトルを計測した。結果、吸光度は700~1000 nm領域においてスペクトルの広いピークを示し、光音響信号は特に750~900 nmに強いピークを示した。 さらに、カーボンナノチューブを封入したビニル管および別途取得したマウスの耳の血管網の光音響イメージングを行い、Non-local means filterによるノイズ除去処理を応用した新たなイメージング手法を確立した。 磁性カーボンナノチューブに磁場をかけることで、発熱量を測定し、本手法によるセラノスティクスの基礎的検討も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カーボンナノチューブおよび磁性カーボンナノチューブ
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度には磁性カーボンナノチューブの作製に成功し、光音響特性についても確認している。また、磁性カーボンナノチューブに磁場をかけることで、発熱することも確認しており、研究は順調に進捗している。
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Causes of Carryover |
平成29年度に使用予定の電源、光学部品、電気部品等につき研究室で所有していたものが使用可能であったので購入しなかった。平成30年度には電源をグレードアップするために使用する。
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Research Products
(7 results)