2017 Fiscal Year Research-status Report
The Development of Group Therapy for Children with Autism Spectrum Disorders using a number of robots.
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17K20097
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
熊崎 博一 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任准教授 (70445336)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / ロボット / 複数 / 遠隔操作システム |
Outline of Annual Research Achievements |
現在まで、自閉スペクトラム症(以下ASD)児への複数のロボットを用いた介入についての報告はない。応募者と長年共同研究を行っている連携研究者の吉川らが開発したヒト型ロボットであるCommUは、複数ロボットと人間との集団コミュニケーションを研究するためのプラットフォームである。複数の聞き手ロボットが同時に反応を提示することにより、その場を共有する人に存在感や一体感を実感させ、円滑なコミュニケーションを支援するシステムとなっている。CommUを用いた集団療法の確立が目的となる。平成29年度は特に「集団コミュニケーションの質を上げる複数体のCommUを用いた集団療法プログラムの作成」に取り組んだ。集団への参加が難しい児童の分析・支援が専門の応募者と動き・自律動作の人間らしさが調節可能なロボットの遠隔操作システムの開発に従事してきた工学者の松本・吉川が実験中の経時的変化を詳細に検討し、CommUに対する児童の反応の分析に取り組んだ。ビデオカメラから被験者の実験中のノンバーバルな様子について評価した。さらに応募者がASD児及び児の両親と面談を行い、児の主観的体験を評価した。児の反応が乏しかった場合に、応募者が児童精神科医の立場でその原因を分析し、吉川がロボットの視線提示において目/首/体の向きのどの要素を組み合わせるかを色々と変える等、ロボットを含めた装備配置の微修正を行い、ASD児の複数体のCommUに対する反応が向上するように環境調整した。スクリプトも必要に応じて修正した。その後別の対象者に実験を再開し、多くのASD児が複数体のCommUとのコミュニケーションに集中できるようになるまで予備実験を繰り返し、複数体のCommUを用いた集団療法のスクリプトを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り多くのASD者が集中して参加することができるスクリプトを作成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は我々が作成したスクリプトに対する自閉スペクトラム症者及びコントロール群の行動を分析し、スクリプトの完成度を評価する予定である。
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Causes of Carryover |
共同研究者の都合、実験計画の変更により本年度は予定使用額の使用が行われなかった。今年度は共同研究者との打ち合わせもついており、昨年度できなかった研究については今年度行い、予算も使用する予定である。
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Research Products
(1 results)