2017 Fiscal Year Research-status Report
Innovative rehabilitation through kinesthetic illusion
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17K20100
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大岡 昌博 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (50233044)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 運動錯覚 / 多自由度 / ウェアラブル / 小型振動発生器 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、多軸の運動錯覚を生じさせるためのシステムを開発するために、振動アクチュエータの小型化とウェアラブルのための装具開発を中心に研究開発を進めた。本システムは、振動アクチュエータ、同アクチュエータ固定部、アンプ、DA/ADコンバータ、加速度先生、ファンクションジェネレータ、ノートパソコンなどから構成される.振動アクチュエータは,ボイスコイルモータ,バネ、接触子から構成される。出力の異なるボイスコイルモータを複数用意して、運動錯覚を生じるための推力が発生できるボイスコイルモータの中で最も小さいものを選定した。また、振動発生時の騒音が被験者の判断に影響を与えるために、騒音対策を進めた。その結果、軸と軸受け部の嵌合を可能な限り厳しくして振動方向にたいして直角方向のブレを可能な限り低減することによって、騒音を純分なレベルまで減少することができた。また、装具については市販の手首サポータに装置取り付けの穴を設置することによって製作した。 以上のシステムを使用して、加速度、周波数を種々変更することによって、それらのパラメータと運動錯覚の関係を調査した。また、加速度に代わる運動錯覚の惹起条件を明らかにするために従来の大型の振動アクチュエータを用いた実験も上の実験と併せて実施した。その結果、腱に作用する力の振動波形のピーク値と運動錯覚の関係を求めたところ、両者の間に比較的強い相関r = 0.84が認められた。このことから、力のピーク値も運動錯覚の惹起条件として有効であることがわかった。 さらに、腱のモーダル試験を実施したところ、腕弛緩時と1kg分銅把持時の腱共振周波数がそれぞれおよそ66および100Hzとなった。このように腱に張力が発生している状態の方が共振周波数が高くなることがわかった。今後、これらと運動錯覚の関係も調べていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小型振動発生器とウェアラブル化のためのの装具開発がおおむね完了し、完成したシステムを用いて基本的な実験を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
屈曲方向の運動錯覚を生じさせるために、手首の伸筋に対しての運動錯覚を調査する。またそれと並行して、肘関節の運動錯覚についても調査する。
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