2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of cell observation system under a simulated microgravity
Project/Area Number |
17K20107
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
境 慎司 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (20359938)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 微少重力 / 細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
人類の宇宙空間での活動は、科学技術の進歩により拡大しつつある。そのような状況において、宇宙が生命にもたらす影響を解明・理解しておくことは不可欠であり、そのような知見は、生命の仕組みの多様さを解明することにもつながる。このようなことから、本研究では、既存の方法では不可能であった、模擬微少重力のもと、三次元的に細胞間相互作用が存在する培養環境下での細胞挙動の連続観察を可能とする技術の開発を目的としている。 平成30年度は、簡易な観察装置の作製に関する検討および、細胞を閉じ込めるための容器の開発に関する検討を行った。観察装置については、微少重力発生装置に搭載可能なサイズである手の平に載る大きさのカメラ付きデバイスに、拡大鏡を取り付け、細胞培養皿に接着した細胞を連続観察行うことを試みた。倍率を任意の値に制御することはできないものの、観察することに成功した。細胞を閉じ込めるための容器に関しては、前年度に引き続いて、細胞を包括する半球状のドームをスライドガラス上に形成させることに関する検討を実施し、前年度はアルギン酸カルシウムゲルのドームのみしか作製に成功しなかったのを、西洋わさび由来ペルオキシダーゼの酵素反応を利用したプロセスを開発することで、ゼラチンやヒアルロン酸などさまざまな材料から同様の半球状のドームを作製する方法の開発に成功した。また、より細胞に穏和にドームを形成する方法の開発にも成功した。以上のように、当初予定していた検討項目の主要な事項を達成することができた。
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