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2018 Fiscal Year Research-status Report

インデックス型家畜保険の需要増加の要因と長期的な経済効果の分析

Research Project

Project/Area Number 17K20142
Research InstitutionHosei University

Principal Investigator

池上 宗信  法政大学, 経済学部, 教授 (70814424)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywordsインデックス保険 / 干ばつ / 乾燥地 / 家畜 / 遊牧 / 貧困の罠 / エチオピア
Outline of Annual Research Achievements

研究課題3(保険の長期的な経済効果)は2つの論文があり、ともに英文雑誌に投稿、査読をへて掲載が決定しており、2019年度中に掲載号、巻が公表される予定である。1つ目の論文は、保険がインフォーマルだが伝統的な互助を駆逐するか補完するかを調べた。家計Aの保険購入が、家計Aのインフォーマル互助への支出を減らさないこと、また、家計Aの互助の相手である家計Bの保険購入が、家計Aの家計Bへの互助を促進することがわかった。これらは、保険とインフォーマルな互助が補完関係にあることを示唆している。2つ目の論文は、干ばつ時の所得、乳生産の減少という負のショックを保険が軽減することを明らかにした。また、リスクに対するバッファーとしての貯蓄、家畜の保有を保険が減少させることが示唆された。
研究課題5(牧畜家計の貧困の罠と保険需要)は、論文を英文雑誌に投稿、査読中である。貧困の罠がある場合、保険によって最も便益を受けるはずの貧困の罠の閾値に近い資産を保有する家計が、インデックス保険のベーシス・リスクの存在ゆえに、逆説的に保険を購入しない、保険価格に敏感に反応すること、公的補助の効果が大きいことを示した。
研究課題4(保険需要のダイナミクス)は、2つの論文があり、1つ目は、ワーキングペーパーの初稿完了、2つ目は、ワーキングペーパーの初稿に向けてデータを分析中である。1つ目の論文は、家計自身の保険金受取も、近隣家計の保険金受取も次期の保険購入を促進しなかったことを明らかにした。2つ目の論文は、家計を保険購入の履歴に基づいて、4つのグループ、1)購入継続、2)未購入、3)購入停止、4)非購入から購入に転換、に分けて、これらの購入履歴の違いの要因を分析している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究課題1(保険料を期初ではなく期中・期末に払えるという変更によってどれだけ保険需要が増大するか)を進めるために現地で保険会社と保険パイロットを実施している国際家畜研究所に経済実験の実現可能性の調査を依頼した。我々の研究計画は、保険会社から保険販売の一部を請け負っている信用組合、家畜生産者組合が、インデックス保険と信用を組み合わせる信用を提供することを前提としていたが、両組合は現時点まで信用をほとんど提供しておらず、本研究の期間内に本研究の計画する経済実験を実施することは困難と判断した。そこで、経済実験の内容を変更し、保険販売員に定期的に保険販売活動をスマートフォンを通して報告、それに対してわずかな謝金を支払うという追加的なナッジ、インセンティブが、保険販売員の保険への理解、売上、潜在的な保険購入者に正の影響を及ぼすかという研究のための経済実験とした。現在、その経済実験の実施に向けて、国際家畜研究所と協議中である。
研究課題2(2017年の大幅な需要増加の要因)は、すでに国際家畜研究所の研究員が研究内容に重複のありうる調査レポートの執筆を開始しているという情報を受け、現在、そのレポートの草稿の完成、公開を待っている状況である。その内容を踏まえ、内容の重複がないように本研究の研究課題2の内容を変更する予定である。

Strategy for Future Research Activity

上述のように研究課題1の進展が遅れているので、これを最優先に研究を継続する。まずは、国際家畜研究所の研究員との協議を進め、経済実験の内容に目途がついたところで、保険会社からの共同実施の確約をもらい、そして、国際家畜研究所との共同研究を、経済実験の実施、保険販売員調査などの研究活動の一部を国際家畜研究所に委託するという契約を締結する。2018年度は進展の遅れから現地渡航調査を延期したが、2019年度は経済実験のプレテストのために現地渡航調査を実施したい。

Causes of Carryover

上述の研究課題1の進展の遅れが、2018年度に経費を執行せずに、その分を2019年度に執行することになった理由である。

Expenditure Plan for Carryover Budget

上述のように研究課題1の実施のために、保険販売員にスマートフォンを通じた活動報告という追加的なタスクを課すことの及ぼす保険販売員の保険に対する理解、売り上げ、潜在的な保険購入者の保険に対する理解への影響を調査する経済実験、保険販売員調査を国際家畜研究所に委託する際の謝金・費用として使用する。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Int'l Joint Research (2 results)

  • [Int'l Joint Research] 国際家畜研究所(エチオピア、ケニア)

    • Country Name
      エチオピア、ケニア
    • Counterpart Institution
      国際家畜研究所
  • [Int'l Joint Research] カリフォルニア大学デービス校/コーネル大学/ネブラスカ大学リンカーン校(米国)

    • Country Name
      U.S.A.
    • Counterpart Institution
      カリフォルニア大学デービス校/コーネル大学/ネブラスカ大学リンカーン校
    • # of Other Institutions
      1

URL: 

Published: 2020-03-17   Modified: 2022-06-09  

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