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2020 Fiscal Year Research-status Report

インデックス型家畜保険の需要増加の要因と長期的な経済効果の分析

Research Project

Project/Area Number 17K20142
Research InstitutionHosei University

Principal Investigator

池上 宗信  法政大学, 経済学部, 教授

Project Period (FY) 2018 – 2021
Keywordsインデックス保険 / 干ばつ / 乾燥地 / 家畜 / 遊牧 / 貧困の罠 / エチオピア
Outline of Annual Research Achievements

研究課題5(牧畜家計の貧困の罠と保険需要)において、下記の10. 研究発表、雑誌論文にあるように、査読付き英文雑誌に論文が掲載された。この論文は、貧困の罠がある場合、保険によって最も便益を受けるはずの貧困の罠の閾値に近い資産を保有する家計が、インデックス保険のベーシス・リスクの存在ゆえに、逆説的に保険を購入しない、保険価格に敏感に反応すること、公的補助の効果が大きいことを示した。この論文は、米国の農業応用経済学会の国際部門から2020年最優秀論文賞を受賞した。研究課題5において、もう一つの論文の執筆に取り組んでいる。この論文は、貧困の罠を生み出す構造として、保有家畜頭数が減少し、乾季に遊牧をしなくなることが、畜産の生産性をどれだけ減少させるのかを調べている。
研究課題4(保険需要のダイナミクス)において、下記の10. 研究発表、雑誌論文にあるように、査読付き英文雑誌に論文が掲載された。販売促進のために保険価格を割引くことが、保険購入者の主観的な保険価格を固定化してしまい、後に保険価格の割引を取り除いたときに保険需要を減少させてしまうという、価格固定化効果が存在する可能性がある。この論文は、ボレナ県の家畜保険には価格固定効果が存在しないことを明らかにし、販売促進のために保険価格の割引を積極的に活用するという政策を提唱した。研究課題4において取り組んでいるもう一つの論文は、査読付き英文雑誌に投稿し、有益なレフェリーコメントを得られたが、改訂・再投稿の要望は得られなかった。レフェリーコメントに基づいて改訂し、他の査読付き英文雑誌に投稿する。この論文は、2014年11月の保険金支払いが、前後の保険販売期間の保険需要を増加させたかどうかを調べている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

研究課題3(保険の長期的な経済効果)、4、5は、2019年度、2020年度に合計5本の論文を刊行しており、進捗に遅れはない。一方、研究課題1(保険需要を増大させうる政策の経済実験)および研究課題2(2017年の大幅な需要増加の要因)は、進捗に遅れがある。
当初の調査予定地であったボレナ県において、国際家畜研究所と米国のジョージア大学・コーネル大学の研究者チームによる大規模な経済実験が実施されることから、調査地を、家畜保険の新しいパイロットが予定されていた東ハラルゲ県に変更して、研究課題1を進めることを代替案として検討した。しかし、その後、東ハラルゲ県のパイロットは実施されないことになり、この代替案も断念した。その後、ボレナ県における経済実験に、研究課題1の経済実験を加えることが可能かどうかについて、国際家畜研究所のコンサルタントと協議中である。
研究課題2については、国際家畜研究所が集めている、家計レベルではなく、地区レベルの過去の販売データを活用することが可能かどうか、国際家畜研究所のコンサルタントと協議中である。

Strategy for Future Research Activity

上述のように研究課題1および2の進展が遅れているので、これを最優先に研究を継続する。まずは、国際家畜研究所のコンサルタントとの協議を進め、経済実験の内容に目途をつける。そして、国際家畜研究所との共同研究を、経済実験の実施、保険販売員調査などの研究活動の一部を国際家畜研究所に委託するという契約を締結する。2018-20年度は進展の遅れから現地渡航調査を延期したが、2021年度は経済実験のプレテストおよび本実施のために現地渡航調査を実施したい。

Causes of Carryover

研究課題1および2の進展の遅れが、2018-20年度に経費を執行せずに、その分を2021年度に執行することになった理由である。

Expenditure Plan for Carryover Budget

研究課題1の実施のために、経済実験のプレテストおよび本実施のための現地渡航調査の費用、経済実験および家計調査を国際家畜研究所に委託する際の謝金・費用として使用する。また、研究課題2の実施のために、国際家畜研究所が集めている地区レベルの過去の販売データを活用できる場合、国際家畜研究所との共同研究に伴う謝金・費用として使用する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2021 2020 Other

All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (2 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results,  Peer Reviewed: 2 results)

  • [Int'l Joint Research] 国際家畜研究所(エチオピア、ケニア)

    • Country Name
      エチオピア、ケニア
    • Counterpart Institution
      国際家畜研究所
  • [Int'l Joint Research] カリフォルニア大学デービス校/イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校/コーネル大学(米国)

    • Country Name
      U.S.A.
    • Counterpart Institution
      カリフォルニア大学デービス校/イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校/コーネル大学
    • # of Other Institutions
      1
  • [Journal Article] Can Insurance Alter Poverty Dynamics and Reduce the Cost of Social Protection in Developing Countries?2021

    • Author(s)
      Janzen, S., M. R. Carter, M. Ikegami
    • Journal Title

      Journal of Risk and Insurance

      Volume: 88 Pages: 293-324

    • DOI

      10.1111/jori.12322

    • Peer Reviewed / Int'l Joint Research
  • [Journal Article] Understanding Pastoralists' Dynamic Insurance Uptake Decisions : Evidence from Four-year Panel Data in Ethiopia.2020

    • Author(s)
      Takahashi, K., Y. Noritomo, M. Ikegami, and N. D. Jensen.
    • Journal Title

      Food Policy

      Volume: 95

    • DOI

      10.1016/j.foodpol.2020.101910

    • Peer Reviewed / Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2022-04-15  

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