2023 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis on increased demand and long-term impacts of Index Based Livestock Insurance
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17K20142
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
池上 宗信 法政大学, 経済学部, 教授 (70814424)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インデックス保険 / 干ばつ / 乾燥地 / 家畜 / 遊牧 / 貧困の罠 / エチオピア |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究課題3(保険の長期的な経済効果)、研究課題4(保険需要のダイナミクス)、研究課題5(牧畜家計の貧困の罠と保険需要)において、インデックス型家畜保険の学術的知見および政策的含意を共著の英文学術書として刊行した。また、研究課題4(保険需要のダイナミクス)の論文の準備として、保険への理解向上のための政策の効果を分析し、研究会で発表した。 研究期間全体を通じた成果は以下である。研究課題3には、査読付き英文雑誌に刊行された論文が2つある。1つ目は、保険がインフォーマルだが伝統的な互助を駆逐するか補完するかを調べた。2つ目は、干ばつ時の所得、乳生産の減少という負のショックを保険が軽減することを明らかにした。 研究課題4には、査読付き英文雑誌に掲載された論文が1つある。販売促進のために保険価格を割引くことが、保険購入者の主観的な保険価格を固定化してしまい、後に保険価格の割引を取り除いたときに保険需要を減少させてしまうという、価格固定化効果が存在する可能性がある。この論文は、ボレナ県の家畜保険には価格固定効果が存在しないことを明らかにした。 研究課題5には、査読付き英文雑誌の論文と英文学術書の1章がある。1つ目は、貧困の罠がある場合、保険によって最も便益を受けるはずの貧困の罠の閾値に近い資産を保有する家計が、インデックス保険のベーシス・リスクの存在ゆえに、逆説的に保険を購入しない、保険価格に敏感に反応すること、公的補助の効果が大きいことを示した。米国の農業応用経済学会の国際部門から2020年最優秀論文賞を受賞した。2つ目は、貧困の罠がある場合、保険によって最も便益を受けるはずの貧困の罠の閾値に近い資産を保有する家計が、インデックス保険のベーシス・リスクの存在ゆえに、逆説的に保険を購入しないこと、保険価格に敏感に反応すること、公的補助の効果が大きいことを示した。
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Research Products
(7 results)
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[Book] Escaping Poverty Traps and Unlocking Prosperity in the Face of Climate Risk: Lessons from Index-Based Livestock Insurance.2024
Author(s)
Nathaniel D. Jensen, Francesco P. Fava, Andrew G. Mude, Christopher B. Barrett, Brenda Wandera-Gache, Anton Vrieling, Masresha Taye, Kazushi Takahashi, Felix Lung, Munenobu Ikegami, Polly Ericksen, Philemon Chelanga, Sommarat Chantarat, Michael Carter, Hassan Bashir and Rupsha Banerjee
Total Pages
90
Publisher
Cambridge University Press
ISBN
9781009558280