2021 Fiscal Year Annual Research Report
Genome-wide analysis of regulation of miRNA processing and its effects on transcriptome
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17K20145
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
岡村 勝友 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (70817733)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | microRNA / 遺伝子発現制御 / RNA結合蛋白質 |
Outline of Annual Research Achievements |
microRNA(miRNA)は遺伝子発現を制御する重要な小分子RNA群である。miRNAは標的遺伝子の発現を制御する因子である一方で、その発現量も厳密に制御される必要がある。本研究では疾患組織やモデル動物の大規模RNA発現データの数理的解析を通して、小分子RNA発現を制御する機構の候補を絞り込んだ。その候補因子について培養細胞を用いた検証実験を行うことで小分子RNA生合成における役割を探索した。その中でmiRNA生合成中間産物に結合して生合成制御を行うと考えられるRNA結合蛋白質なども同定され、新規のmiRNA生合成調節機構を見出した。これらの分子機構をより詳細に解明するため、簡便に蛍光タンパク質タグを内在性遺伝子座に挿入することでタンパク質の挙動を生細胞内で解析するためのツールも作出した。このような技術はmiRNA生合成が制御される仕組みの解明を含め、多くの分野の研究の推進に貢献できると期待している。またmiRNA生合成の生化学解析のツールとして、遺伝子特異的なmiRNA生合成阻害剤の開発にも携わり、その効果を実証することができた。さらに、疾患モデル動物や血液サンプルにおけるmiRNA発現解析を行うことで、miRNA発現異常の遺伝子発現制御に対する影響やmiRNA発現異常が疾患に繋がる仕組みの一端を明らかにした。これらの研究から、小分子RNA生合成と他のRNAプロセッシング機構と協調的に制御される機構が見出され、その破綻と疾患の関連の理解に繋がると期待される。
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Research Products
(10 results)