2021 Fiscal Year Research-status Report
知的環境適応型VLSI基盤技術の構築と高信頼脳型LSIシステムへの応用展開
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17KK0001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
夏井 雅典 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (10402661)
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Project Period (FY) |
2017 – 2022
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Keywords | 知的環境適応型LSI設計技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,脳の情報処理過程における学習・記憶,超並列,自律分散といった様々な原理に基づく柔軟かつ複雑な処理をハードウェアアルゴリズムとして実装することにより,高次の処理を極めてコンパクトなシステム構成で実現することを目指す.特に本研究においては,脳の可塑性(環境適応性)と呼ばれる機能にヒントを得,従来の延長上にない知的環境適応型新概念LSI設計技術の確立を到達目標とする. 本技術の実現においては,入力情報を適切に処理する計算アルゴリズムのみならず,本アルゴリズムを如何にしてコンパクトかつ低消費電力なハードウェアとして実装するかが重要な課題となる.そこで,本年度は,省電力性および高性能性と,多様な環境における安定動作の両立が求められるエッジデバイスへの実装を念頭に置いた,知的環境適応処理向け回路技術について,昨年度成果のさらなる高度化を目的とした研究を推進した. エッジデバイスへの省電力なハードウェア実装に必須となる不揮発パワーゲーティング技術について,環境変動や動作状況の変化によって生じる性能劣化・信頼性低下を抑制するための回路技術について研究を推進し,具体的応用事例におけるその有効性を評価した.また,エッジデバイスにおいて想定される脳型計算処理を高効率に実行可能なアクセラレータ,およびその円滑な制御を加納とする命令セットを有するCPUの設計について検討を行い,実応用を念頭に置いたベンチマークにより,その有効性を示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
渡航中に進めた研究成果を更に発展させた内容について,複数の国内・国際学会および学術論文誌で発表を行ったものの,コロナ禍の影響により,全体的に研究の進捗が滞っている状況にある.
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Strategy for Future Research Activity |
受入研究者とのWebミーティングおよび学会へのオンライン参加等を通した情報交換も継続しつつ,コロナ禍の状況に応じて適宜対面での実施の可能性も模索しながら,国際学会および学術論文への発表を行い,最終年度の成果として取りまとめる.
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