2018 Fiscal Year Research-status Report
高安全な移動支援機器のための人間と機械の相互インターフェース技術に関する研究
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17KK0006
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
中嶋 秀朗 和歌山大学, システム工学部, 教授 (30424071)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | パーソナルモビリティビークル / ヒューマンマシンインターフェース / 生体信号計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会では,高齢者も含めて誰もが気軽に乗れる徒歩移動圏での新しい乗り物(パーソナルモビリティビークル,以下PMV)が必要である.PMVに求められる機能として,徒歩移動圏に存在する段差や傾斜などへの対応と,移動の大半を占める舗装路面上でのエネルギ効率と高速性能の高さがある.それらを解決するためにRT-Mover PType WAを開発し,基課題ではコンパクトでシンプルな機構での重心移動技術を活用して3段の階段程度までの移動能力を達成した.障害者が搭乗者となり競い合う国際大会「サイバスロン」にも出場して性能評価を世界レベルで行った.結果は世界4位であり,ロボティクス技術の完成度に関して高く評価された. このPMVの実用化のためには,次は「安全性の向上」である.搭乗者の状況に応じて機体を制御することで高い安全性を目指したいと考えており,そのために最先端の人と機械のインターフェース技術を活用する必要がある. 本研究では,世界最先端レベルの知見が集積しているETH ZurichのSensory-Motor Systems Lab.と共同研究を行うことで,「究極の安全性」を持つPMVの開発のための人と機械の相互インターフェースに関する要素技術を確立する予定である. 本年度の研究期間は交付開始から3ヵ月間と短期間であるため,研究の立ち上げ期間と意識し,確実に研究を推進するために必要な事項を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究期間は交付から3ヵ月間であるため,今年度は研究の立ち上げを行い,研究の推進を確実にするために以下のことを行った. ・渡航先との交渉:渡航先での研究期間や研究環境を打ち合わせし,具体的な手続きを進めている.受け入れ先研究室との打ち合わせの後,現所属機関からの承認書類などを送付し,渡航先機関の事務手続きへと進んでいる. ・研究の立ち上げ:関連する研究の状況を広く調査し,研究の視点をさらに広めた.その上で,本研究で活用する生体信号について,取得できる生体信号の種類や特徴を調査,分析した上で,センサとコンピュータを使用した信号計測システムの要素技術を準備した. ・渡航のための準備:渡航するにあたっての代替要員の検討や渡航期間中の現所属の教育研究活動の維持などについての方法を検討した.
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Strategy for Future Research Activity |
以下の準備を十分に行い,2020年3月からの渡航先での研究を充実したものにする. ・渡航先との交渉:渡航前に十分に打ち合わせを行い,研究環境を整えておく.また,研究内容も十分に打ち合わせておき,渡航後すぐに,研究が軌道に載れるようにする. ・渡航前の準備:渡航先での研究に専念できる状況をしっかり整えることが重要である.現所属機関での講義,教育研究活動が渡航中に滞りなく行われるように,事前に代替要員の確保や所属研究室の教育研究支援体制を構築する. ・研究の推進:渡航前に行える研究準備を十分に行うことで,渡航後には渡航先でしか行えない研究を行い,その成果を最大限に吸収できるようにする.具体的には,本研究で活用可能な生体信号の計測技術の習得,あるいは,人と機械のインターフェースに関する技術の習得を行う.また,パーソナルモビリティビークル自体の制御技術や環境認識技術の高度化を推進し,本研究で注目するヒューマンマシンインターフェース技術との融合を高いレベルで図れるように準備をしておく.
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Research Products
(2 results)