2022 Fiscal Year Research-status Report
Risk acceptance and consensus building on British coastal realignment and seawall construction projects with coastal ecological infrastructures
Project/Area Number |
17KK0013
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Research Institution | Ritsumeikan Asia Pacific University |
Principal Investigator |
山下 博美 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 教授 (90588881)
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Project Period (FY) |
2018 – 2023
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Keywords | 住民参加 / グリーンインフラ / リスク受容 / 防潮堤 / 英国 / 環境コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本事業の目的は、沿岸湿地再生と気候変動による海面上昇や洪水減災の複合目的を持つ生態系インフラストラクチャー事業で世界をリードする英国において実施されている内陸への防潮堤移動建設の事業者及び住民間のリスク受容と合意形成の過程を解明することである。沿岸環境開発・再生に関する住民の意思決定参画過程の鍵となる要素を、英国で行われた55全事業の文献調査と聞き取り、及びケーススタディーを通じ明らかにする。本事業では、日本の国交省と環境省が合わさった業務を行う「環境食料省・環境局(DEFRA/EA)に常勤している「コミュニケーション・オフィサー」にも注目し、その合意形成手法についても調整を行っている。2022年度は、ケンブリッジ大学にて毎週行われていた研究チーム会議、及びセミナーに、対面及びオンラインにて毎週参加できるように調整を行った。2020年、2021年に行ったアンケート調査でインタビューをしてもよいと回答下さった湿地再生事業担当者に連絡をとり、アンケート調査のみでは分かりにくかった情報についてオンラインインタビュー調査を行った。また、リサーチアシスタントと共に、沿岸湿地再生に関わる関係者を対象とした質問票調査の分析、及び、住民の意見情報の分析作業を行うことができた。今後、データの集計を行い、研究全体を進めていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
引き続き、コロナウイルス感染が広がっていたことより、イギリス訪問ができた際にも、大学での活動や出勤が制限されていたりすることも多く、自由な研究環境が整わない状況であった。オンライン会議のおかげで、共同研究者とは繋がっていることはできた。日本にて英国メディア分析(地方・州・全英メディアにおける事業報告を可能な限り全て閲覧、意見衝突・合意事例や要素の下調べ)、及び質問票分析を行った。少しずつデータは集まっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、資料と同時に、以下の点を進める。 ケーススタディーサイトにて、① 提供された環境リスク・コミュニケーション内容分析、② 合意形成過程に行われた会議内容分析、③ 初期分析を大学、及び研究所セミナーで発表し、内容を精査、④ 執筆・発表活動を精力的に行う。
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Research Products
(2 results)