2021 Fiscal Year Research-status Report
近現代イギリスにおける「人と動物の関係史」ー領域設定による総合的理解モデルの構築
Project/Area Number |
17KK0021
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
伊東 剛史 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (10611080)
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Project Period (FY) |
2018 – 2022
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Keywords | イギリス / ヒトと動物の関係史 / 動物史 / アニマル・スタディーズ / 感情史 / 文化史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近現代イギリスにおける人と動物との関係史を探究するものである。基幹部分に関する海外での史料調査はすでに終了しているため、2021年度はこれまでの研究成果を整理、統合するとともに、比較史的な観点から日本国内において動物園を中心にフィールドワークを行った。具体的には、以下の研究成果を英語・日本語で発表する準備を進めた。(1)2019年度にベルリンに滞在した際に参加したLogistical Natures Workshopでの研究報告が、その後のワークショップ企画運営者・参加者との議論を経て、他の報告とともに国際学術誌の特集号での発表を目指すことになり、原稿執筆を進めた。数度の改稿を経て、原稿が完成し、本報告書作成時点で査読中である。(2)日本での補完的な調査についても、派生的な研究成果として論文にまとめることができた。とくに、ライチョウ(ニホンライチョウ)の新種記載の歴史的背景を調査した結果、これまで調べていた19世紀末ー20世紀初頭の日本での動物採集家たちのネットワークとの繋がりがわかり、重要な知見が得られた。英語の実績としては、「人と動物の関係史」の包括的な概説書である、Handbook of Historical Animal Studies (DeGryuter, 2021)に、動物園史の章を寄稿したことが大きい。日本語では、『現代思想』の「進化論の現在」特集号(2021年10月号)にて論文「進化論の被造物」を寄稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究の整理・統合に焦点をあて、補完的な調査も実施して、着実に研究成果を公表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、査読中の国際学術誌への投稿論文を査読コメントをふまえて改稿し、年度内の採択を目指す。その他にも、本プロジェクトの成果の一部として論文集に発表予定の論文が2点ある。2022年度はじめに原稿が完成し、年度内に出版予定である。この予定どおり成果を発表できるよう、最終段階にある本プロジェクトに注力する。
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Research Products
(4 results)