2018 Fiscal Year Research-status Report
文物考古資料による唐~宋オルドス地域の歴史的構造の研究
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17KK0026
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
村井 恭子 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (50569291)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | 東洋史 / 唐代史 / 宋代史 / オルドス / 石刻史料 / 遊牧民 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「7~12世紀(唐~宋代)の中国オルドス地域を拠点として活動した遊牧諸勢力の実態と、彼らの軍事力によって活性化されたユーラシア東部地域の政治・社会とを再構成する」という基課題の研究目的を引き継ぐものである。本研究では基課題で成しえなかった以下2点の問題を扱う。1)西安・北京を拠点として、とくに近年新たに発見された漢語史料(文献・石刻・文書)の現地調査・解読およびデータベース化による公表作業を行う。こうした素材を提供することによりとくに日本の学界の当該分野における停滞状況を解消することを目指す。2)これらの史料を利用し、7~12世紀のオルドス地域の具体的情況および当該地域を拠点とした遊牧勢力の実態を解明することを通じて、当該地域が担った歴史転換の構造について検討する。 勤務の都合上、本研究計画では2020年3月より1年間渡航し共同研究を実施することになっており、実質的にはまだ準備期間にある。今年度は交付申請を2019年1月に行い、当月末に認可されたばかりの状況にある。ただしこの間に、共同研究者の栄新江氏・市来弘志氏とそれぞれ連携しつつ、中国における研究情況や訪問先研究機関の情報を調査している。また、基課題の成果報告書に掲載した唐・五代党項・吐谷渾関係墓誌の出土状況を整理した文章についてさらに最新の情報を加え、この増補版を中国語論文とした。これについてはすでに中国の学術誌に投稿して掲載の内定をもらい、現在修正作業を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度から来年度前半にかけては国内で閲覧可能な資料収集に努めるとともに、2名の共同研究者とメールを通じて綿密に連絡をとり、現地の情報を得て具体的な調査計画を練り、調査地の研究機関との連絡を密にしていく予定である。現在、このうち資料の調査・収集については少しずつ進めており、とくに唐五代党項・吐谷渾関係墓誌の出土状況については上掲実績の概要で述べたように、現段階で判明した新出史料について増補しえた。しかし、来年度訪問する研究機関との交渉が遅れているため、共同研究者とのスケジュール調整がまだ確定には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
1)研究全体に関わる問題として、新たに公表された調査対象の史料についてリストを作成し、その所蔵機関を調査する。新たに調査が必要と判断された史料があった場合、現地調査が可能であれば対象に含める。2)近年刊行された資料集や学術誌・研究書に対象史料が掲載されているかチェックする。3)現地調査に関して、1)、2)の作業をふまえ、2020年3月の渡航までに訪問調査する機関と連絡をとり、かつ共同研究者とスケジュールを調整する。
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