2021 Fiscal Year Research-status Report
Britain's Global Destruction of Inconvenient Records: The Role of the Colonial Office
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17KK0033
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐藤 尚平 早稲田大学, 文学学術院, 准教授 (70597939)
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Project Period (FY) |
2018 – 2022
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Keywords | 歴史認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
第二次世界大戦後、イギリス帝国は世界各地で都合の悪い植民地文書を隠蔽する文書隠蔽工作を行った。この文書隠蔽工作の全容を解明することが研究代表者の長期的な目標である。そのための一段階として、本研究計画では、帝国の植民地政策を司った本国イギリスの植民地省の役割に光を当てている。 当初の予定では、昨年度が本研究計画の最終年度にあたり、その年に長期海外調査のほとんどを実施するはずであった。しかしその直前から世界中で急拡大した新型コロナウィルスの影響により当初の日程で日本を出国することが出来ず、今年度に研究計画を延長することになった。そして、今年度も残念ながら新型コロナウィルスの影響が続き、思うように海外調査を行うことは叶わなかったため、次年度に研究計画を再延長することを余儀なくされた。 ただし、こうした逆風の中でも、今年度はイギリスでの長期海外調査の一部を開始することが出来たのは特筆すべき成果である。また、日本にいる間も史料の分析を継続した。二次史料だけでなく、これまでにイギリス国立公文書館で収集してきた移管文書群(FCO141)も検討し、こうした分析に基づいて国際学会Association for Asian Studiesの年次大会でのオンライン報告を行うことも出来たのも大きな成果である。この間、不透明で流動的な状況の中でも辛抱強く協力して下さった所属研究機関及び現地研究機関の関係者に心から感謝している。 次年度は、新型コロナウィルスの影響による社会状況の変化を注視し、感染予防に万全を期しながら、機会を捉えて長期海外調査を本格化させたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は海外での資料調査を主軸に据えているため、新型コロナウィルスの影響で海外調査が大きく制約された本年は当初の予定通りには研究を進めることが出来なかった。他方で、そうした中でも海外調査の一部を開始することが出来たことと、国際学会で研究報告を行うことが出来たのは特筆すべき成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの影響による社会状況の変化を注視し、日本政府・所属研究機関・各国の政府・現地社会・関係研究機関によるコロナ対策も尊重し、感染予防につとめつつ、機会を捉えて長期海外調査を本格化させたい。
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